はにぽんの苦しみ
蒸し暑い日々。
カメ's にとっては 天国 のような日々である。
室内 亜熱帯 状態。
が、ロシア原産、
ゴージャスに毛皮をまとう はにぽん にとっては
地獄 のような日々。
彼は苦しんでいた。
日々眠れぬ夜を過ごし、灼熱の昼間で体力を奪われる。
「あち~んだよ」
腹立ちまぎれに、頬袋からヒマワリの種をとりだし、かじる。
かじっている間だけは、そのことに夢中になるが、それも
つかの間だった。彼はまたもや気力さえ奪われそうになる。
湿気から身を避けるように、狭いケージの少しでもましな
部分を探してうろつく。
夕方遅くになってようやく飼い主が帰ってくる。
「なにしてたんだよ、クーラーさっさとつけろよ」
と、彼は上目づかいで必殺<うるるん瞳>を使ってみた。
な~んて、クーラーつけながらおバカなことを考えてしまった。