病室にお伺いするとベッドに座っていらっしゃいました。

アロマにきたことをお伝えすると

「待っていました」、と嬉しそうに出迎えていただけました。

 

まず、背中のアロママッサージからはじめました。

うつ伏せは胸のあたりが苦しいとのことで、側臥位で行うことにしました。

 

ゆっくり丁寧にアロママッサージしていくと、

患者様の呼吸も、ゆっくりとした深い呼吸になり、

リラックスされているのがこちらにも伝わってきました。

 

アロママッサージを受けながら、お話を始められました。

 

「病気になる前までアロマのことは名前くらいしか知らなかったけど、

今は自分にこういう贅沢な時間を与えてあげなきゃって思うの。

 

病気になる前から、定期的に月一回でもこうやって、

思いっきりリラックスする時間を自分にあげればよかったのにね。

 

日本人は特に病気にならないと、こういう時間を取らないものね。

でもやっぱり、こういう時間って大事なのよね。」 と仰いました。

 

 

アロママッサージの間は、うとうととされていました。

そして、

「とっても不思議ね。。。

今、とても生きてみようって気持ちにさせてもらってる。

 

なにかとても新鮮な気持ちで、

若葉が見える頃までは頑張ってみようかな~って思えてる。

私にとっては、これは本当にすごいこと。」、と仰いました。

 

 

アロママッサージを終えると、

「あ~気持ちよかった。ありがとうございます。

また次回も楽しみにしていますね。」 と言っていただきました。

 

アロママッサージをさせていただいて、

 

改めてアロマテラピーをご病気の方々にさせていただく大切さや、

必要性を強く感じました。

 

 

 

 

 

デイルームの端に車イスでいらっしゃいました。


うつむいてあまり元気のない表情でした。



以前からトリートメントさせていただいていた方ですが、


療養型の病棟から認知症の病棟に移られていました。


初めてお会いしたときはしっかりした方だなという印象を受けたのですが、


前回伺った時はご機嫌があまりよくなく、


アロママッサージのことも全く覚えていらっしゃらないご様子でした。


 「こんにちは。手足のマッサージをさせていただきにきました。」


と声をかけると、こちらに目線をくれました。


でも、きょとんとされ、何のことかわからないというご様子でした。

「香りのするオイルで手足をマッサージさせていただきますね。


いやだったら途中でやめることもできるので大丈夫ですよ。」


とお話しすると、うなずいてくださり、トリートメントすることにご同意くださいました。


 最初は、マッサージしている私の手元を心配そうな表情でじっと見つめていらっしゃいましたが、


片方の上肢が終わってもう片方の上肢に移るときには、


「あぁ気持ちいい。」と笑顔がみられ、徐々に身体の力が抜けていきました。


上肢が終わって下肢に移るときには、


「あぁ気持ちいい。ありがとうございます。足もやってくださるの?」

とおっしゃっていました。


下肢の施術中、「いい香りがする。」と手のオイルの香りを嗅がれていました。


下肢の施術が終わると、ご自分で少し足を動かされ、


「楽になった。まぁありがとうございました。」


と笑顔でおっしゃってくださいました。


「また今度来ますので、マッサージさせてください。」と私が言うと、


「お願いします。」と笑顔で答えてくださいました。


 最初は暗い表情だったのが、マッサージをして笑顔になってくださり、

うれしく思いました。


病気の影響や、年齢、環境など、認知症の進行はやむをえないのかもしれませんが、


定期的にアロママッサージをさせていただくことで、


良い刺激になればと思います

80才代の肝臓がんの女性患者様



病室に伺うと、


パジャマのズボンを膝まで上げて、


「こんなになっちゃったの。おなかもこんなだし・・・、」と


訴えてきました。



足はむくみでパンパン、おなかは腹水で大きく張っていて、

だるそうなご様子。



言葉も少し聞き取りづらい状態でした。




「今日は脚もしっかりアロママッサージをしましょうね。

おなかもやりましょう。」、と声をかけて


ゆっくりとアロママッサージを始めました。




「おなかが胸を圧迫して、とても苦しかったけど、楽になったわ。」


と、喜んでくださいました。