第二外国語選択の手引き
第二外国語の選択の手引き。
東大では、基本、第二外国語は6ヶ国語あって、新入生は一つ選ばなきゃいけない。
(但し、文科三類のみイタリア語を選択可)
第二外国語によってクラス分けが決まるから、ニ外選びは結構重要。
2008年度入学者のニ外選択状況は、
文系:中国語>30%>フランス語>20%>ドイツ語≧スペイン語>10%>5%>イタリア語(文三のみ)>韓国朝鮮語≧ロシア語
理系:ドイツ語>30%>中国語>20%>スペイン語≧フランス語>10%>5%>ロシア語≧韓国朝鮮語
らしい。
ロシア語と韓国朝鮮語はマイナー言語として有名。
なんで、こんなに不人気なのかって考えたら、文字が一つ理由に挙げられると思うんだよね。
中国語は簡体字で日本語の漢字とは少し違うとは言え本質的には同じ漢字だし、フランス語もドイツ語もスペイン語もイタリア語も若干の差異があるとは言えほぼ英語と同じラテン文字。
一方で、ロシア語で使用されるキリル文字も韓国語で使用されるハングルも日本人には馴染みが無い。
だから人を遠ざけてるのかもしれない。
でも、文字の習得なんて全然楽チン。恐れることはない。
4月の間に授業で丁寧に教えてくれるし、何より他の人が読めない文字が読めるってちょっとかっこいい。
だから、文字への抵抗感で選択肢を狭めるのはもったいないことかも…。
以下は、独断と偏見が大いに混ざってるからあんまりあてにしないでね!
単位取得度に関してはロシア語以外、全く根拠無いです。イメージ。
(イタリア語はよくわかんないから割愛)
・ドイツ語
言語難易度:2位/6ヶ国中
単位取得度:5位/6ヶ国中
イメージ→地味で無難な生き方が好きなんですね。
ドイツ語はすっごく地味なイメージ。
まあ、理系では最大派閥なんだけど、なんか理系っぽい、それだけの理由で選ぶ人が多いみたい。
特に理三の人は、医学との関連性からかドイツ語を選ぶ人が多い。
まあ、ぶっちゃけ今の医学にはドイツ語必要ないけど、しきたりみたいな感覚で。
文法はぶっちゃけむずい。格変化っていう、名詞や形容詞の活用が存在するのが特徴。
英語にもそういう文法構造は多少存在してて、例えば「私」を意味する「I」が「me」や「my」に変化するのがそれにあたる訳だけど、それが全ての名詞や形容詞に存在するってこと。
文中の単語の役割によって、「~は」、「~の」、「~に」、「~を」の4種類に活用する。これは馴染みにくい。
でも、ドイツ語ってなんだか響きがかっこいいよね。
「ベートーヴェン」、「シュレディンガー」なんて人名はとんでもなくかっこいいし、
「ザムスターク」がドイツ語で「土曜日」を意味するんだと知ったときはすご過ぎると思った(笑
どっかのゲームのラスボスじゃあるまいし…^^;
・中国語
言語難易度:3位/6ヶ国語中
単位取得度:4位/6ヶ国語中
イメージ→金のことにしか目が無いんですね。
近年の急激な経済成長に伴って、価値を見出す人が増えたのがこの中国語。
13億人という世界最大人口を抱擁する中国。
だからか、実用性(?)みたいなものを考慮して選ぶ人も多いとか。
経済成長がキーワードになってるから、文二の選択者が多いのが特徴。
あと、英語が苦手な人が、「中国語は漢字だから楽そう!」とか思って選択する人もいるみたい。
でも、実用性なんて考えないほうがいい。
まず第一に発音の難しさが半端ない…。発音の難しさは6ヶ国語中で1番。
有気音と無気音の区別とか、反り舌音とか、声調とか日本人にはわかるはず無いから…。
次に文法。
どうも、中国語に関してはまだ文法の研究がそこまで進んでいないらしく、
現在メジャーな説にのっとった説明だと「何この理不尽な文法!」みたいのが結構ある。
この理不尽文法には発狂せざるを得ない。
「中国語話者は否定形だったらこの語順でいいのですが、肯定文だとこの語順を許容しません。それは感覚の問題です。」
「この文章は数量詞を入れると全体のバランスがよくなるので、その時、この助詞はこの部分に入れてもその部分にいれてもどっちでもいいのですが、数量詞がないと中国人にとってはバランスが悪く聴こえるらしく、この助詞は必ずこっちに入れないとだめなんです。もし、そっちに入れたらバツになります。そっちに入れた文章では、中国人に意味伝わりません…。」
それは文法じゃないだろ!って思うけど、ルールだからやはり文法としか言わざるを得ないのです…。
あと、「どうせ漢文に似てるんだろ。じゃあ簡単じゃん。」っていうのが大きな勘違いで、語彙が全く違う。
一般的な中国人庶民は漢文を読めない。
むしろ、日本人の方が読めるんじゃないかってくらい。
さらに、もう1つ。
文字が漢字だから楽ちんだろうな、って思ってる人。
ピンインっていう中国語の漢字の読みがなを覚える作業に悩殺されます…。
・スペイン語
言語難易度:5位/6ヶ国語中
単位取得度:3位/6ヶ国語中
イメージ→うわっ、チャラいな。
スペイン語はとにかく「簡単らしい」という噂が出回ってて、チャラい人が多くなってるイメージ。
で、実際、スペイン語部会(スペイン語の教員陣)も簡単だって宣伝してる。
スペイン語は勉強したことないからよくわかんないけど、スペイン語選択者の話を聞くと、文法はやっぱり簡単で、単位落とす人はいないらしい。
とにかく、チャラいというイメージと不真面目なイメージが強くて、
体育会系の怖い人とかギャルとかがいっぱいいそうなイメージ。
なんかクラスのコンパでもコールを連発してそうなイメージ。
ここまで行くと完全に偏見か。
まあ、スペインなことだし、陽気で明るい人がいっぱいいるんだと思う。
・フランス語
言語難易度:4位/6ヶ国語中
単位取得度:6位/6ヶ国語中
イメージ→気取り屋さんなんですね。
最大特徴は、女の子の比率が群を抜いて高いということ。
文三のフランス語クラスに関しては、女子の方が人数が多いなんてクラスもある。
理系にいると、東大って男子校…な感じだから、全く違う世界が広がっているわけである。
フランス語ってなんかお洒落だよね。
で、高尚な感じもして、「フランス語わかります。」って言われるとすっごく知的で教養がある感じがする。
そういった意味ではお得な言語。
フランス語はオシャレアイテムでありファッション。
単語は英語にすごく似てるからそんなに苦労しないとか。
でも、単語が英語に似てる分、授業やテストで求められる語彙の要求度も高いらしい。
あと、フランス語の教員はフランス語にプライドがあるせいなのか、単位を出し惜しみするらしい…。でも、これは多分嘘。
まあ、知的教養という面ではすごくお得な言語。
でも、「女の子が多いから選びました。」とかいう下心満載なやつもいるとかいないとか…。
・ロシア語
言語難易度:1位/6ヶ国語中
単位取得度:1位/6ヶ国語中
イメージ→人と違っていることがかっこいいとか思ってるんですか。
ロシア語は人数が少ないせいかクラスの結束が例年固いものらしい。
「俺たち、ロシア語なんだぜ!」みたいな。
んー、でも、俺のクラスを見る限りそうでもないかな…。
むしろ、個性の強い面々が集まりすぎて、かえってまとまらない感じ。
あと、「俺、二外ロシア語です。」って外部で言うと、「変わり者だねー」っていう反応をされるのが玉に瑕だが、
個性アップという面ではかえっていいのかもしれない…。
文法は複雑すぎて悶絶死する。
まず、格変化が6種類ある。ドイツ語より2つ多い。
男性名詞・女性名詞・中性名詞それぞれの単数形と複数形が全部違う形の活用をする。
男性名詞・女性名詞・中性名詞にかかる形容詞もまたそれぞれ違う形の活用をする。
しかも、その活用にはあんまり規則性が感じられない…。
男性名詞と女性名詞の活用の仕方違いすぎだろ、頭おかしいだろ、みたいな。
それに不規則活用の動詞が異様に多い。
でも、ロシア人はその文法の複雑さに誇りを持ってて、
「ロシア語は生きている言語なんです。」「ロシア人は思考は奥深いのです。」みたいなことを言うとか言わないとか。
でも、文法、ロシア語に限らない言語構造全般に理解を深められるという点ではすごくいい。
だから、言語好きにはイチオシの言語。
英語でなんとなく釈然としなかった文法が、ああ、こういうことだったのか、ってよくわかる。
あと、外国語超苦手って人にもオススメ。
ロシア語部会の教員はみんな超甘い。
「存続の危機にあるロシア語を選択してくれたみなさん万歳!」って感じだから、単位は惜しみなくくれる。
全部授業を出席しただけで自動的に単位が来るなんてお得すぎる。
テスト0点でも氏名欄に名前さえ書けば単位をくれる。
私はあなたがたの成績には興味はありません。勉強さえしてくれればそれでいいんです。
成績はみなさんが進学振り分けで自分の好きな学科にいけるように、優3割規定に反さない範囲で最大限の点数をつけます。
みなさんに、単位をとるためだけのつまらない勉強をしてほしくないので、授業に出てテストを受けてさえくれれば単位はあげます。だから心配なさらないでください。
単位のことは気にしないで勉強してくれればいいです。
って先生が公言してた。
先生の話で付け加えておくと、ロシア語は教員の質がやばいほどいいです。
ロシア語選択者が少ないせいか、教授や准教授といったレベルの先生が1年生を教えに来てくれる。
中国語とかは近年急激に増えて、先生の生産(?)が追いつかなくて、
他の学校からアルバイト教員みたいのも入れてるらしいから、
純粋な東大の教員の授業を受けられるってのはすごくいいこと。
・韓国朝鮮語
言語難易度:6位/6ヶ国中
単位取得度:2位/6ヶ国中
イメージ→人と違ってることをやろうとしたくても、一歩踏み出せない中途半端な人なんですね。
ロシア語に並ぶマイナー言語。
選択者は近年漸減中で、やはり存続の危機にある。
2008年は理系に関して言えば、ロシア語に人数を抜かれて選択者数が最低の言語になった。
といっても、理系ロシア語が去年、なぜか突然例年の2倍の人数にインフレーションを起こしたからそうなったんだけど…。
文法構造は日本語にヤバ似。
日本語と同じく、助詞とか助動詞とか丁寧語とか尊敬語とかそういった要素を兼ね備えてるから、同じ外国語を学ぶにしても、英語を学ぶのとは全く違う感覚で学べる。
英語が苦手って人におすすめできるのは実は韓国語かも。
あと、語彙も超似てる。
とくに韓国語の70%以上を占める漢語由来の語彙に関しては日本語にヤバ似。
「地理」は韓国語で「チリ」だし、「無理」は韓国語で「ムリ」だし。似すぎだよね。
日本語に似てるから、1年っていう短期の勉強でも、わりかししゃべれるようになる。
6ヶ国語の中で一番実用に近づけられるのはこの韓国語かな…。
ロシア語と同じマイナー言語だから、やっぱり単位は取得しやすいとか。
ただ、韓国語は知的教養とか高尚さという面に関してはいささか劣る…。
韓国語?なんか野暮ですね、って感じになる。
でも、韓国語を学ぶことで日本語への理解はすごく深まる。
母国語を愛する人は韓国語をとるのもいいかもしれない。
あと、自己紹介で「俺、韓国語選択してます。」って言ってもロシア語ほどインパクトがないのは残念。
一応、稀少種のはずなんだけど、どうしてこうなるんだろうか。
以上、独断と偏見だらけの紹介でした。