こんにちはフィンランド好きが行き過ぎて、通訳・講師などをさせていただいている則武です
今回は、『我が子をバイリンガルにする方法』について書いていこうと思います。(※個人的な見解です)
例えば以下の家庭にお子さんがそれぞれいるとします。
皆さんはどのお子さんが、簡単に日本語&フィンランド語を容易に操れるバイリンガルになれると思いますか?
A.両親ともにフィンランド人のお子さんを日本で育てる。
B.母親がフィンランド人、父親が日本人のお子さんを日本で育てる。
C.父親がフィンランド人、母親が日本人のお子さんを日本で育てる。
D.両親ともに日本人のお子さんを日本で育てる。
この環境で、お子さんが生まれてから高校生まで日本で過ごすとして、かなり高い確率でバイリンガルになれる可能性を秘めているのは、
実は『A.両親ともにフィンランド人のお子さんを日本で育てる。』パターンのお子さんだけです。
親御さんの内、片方がフィンランド人だったらフィンランド語が自動的に喋れるようになるんじゃないか?と感じている方も多いと思いますが、例えば『B.母親がフィンランド人、父親が日本人のお子さんを日本で育てる。』バターンのご家庭で、母親が子供に話しかける際にフィンランド語で話すことを徹底していたとして、たまに、フィンランド人同士集まる場に子供と顔を出していたとしても、年に一度、二週間ほど子供とフィンランドを訪れていたとしても、子供がそれだけでフィンランドで生活していけるだけのフィンランド語力を習得できる可能性は低いのです。フィンランド語で話しかけられた時に、内容を理解し、簡単な受け答えができるほどにはなれますが、『母親以外の他人が喋ると理解しにくい』『自分の意思を表現する際に
、フィンランド語だけではかなり不十分に感じる』というレベルに落ち着くと思います。
そして、B.パターンでも、母親が母国語のフィンランド語でお子さんと話すことを徹底していない、ほとんど子連れでフィンランドに行っていない、子供がフィンランド語を聞く機会は、たまに母親が電話などでフィンランド語を話しているのを聞いている&3年間に一度くらいの頻度で母親の親族のフィンランド人たちが泊まりに来る程度だとするならば、『フィンランド語で話しかけられた時に、内容を理解し、簡単な受け答えができる』ことも難しいレベルになると思います。
そして、C.のパターンになればその可能性はぐんと下がります。これは、お父さんが専業主夫でかなり社交的、かつ、おしゃべりな性格だとしたらB.パターンに近い確率で、お子さんがバイリンガルになれる可能性を秘めていますが、お父さんの努力は欠かせません。
つまり、B.パターンにしろ、C.パターンにしろ片親だけがフィンランド語を話す場合、外国語を話せる側がかなり努力をしなければ、完璧な日本人になります。(逆にB.パターン、C.パターンでも、フィンランド語を母国語としない日本人側のパートナーがフィンランド語を話し、家庭での会話はフィンランド語、両親共にお子さんにフィンランド語で話しかけているのであれば、A.パターンに近い確率でお子さんはバイリンガルになります)
D.両親ともに日本人のお子さんを日本で育てる。
、、、、かなり努力が必要になります。
ですが、全く無理というわけでもないんですよ
それでは、その方法をご紹介します!
1.デバイスを通さず、生の声を聞いてもらう。
妊娠中の時点から生後8ヶ月ごろまでは、フィンランド語の本や雑誌など、書いてあることをそのまま声に出す、またはフィンランド人が話している動画などを真似して、そのまま声に出すことを続けましょう。ここで重要なのは、遅くてもいいので、親御さん自身の声で『外国語』を喋って聞かせることです。動画などでフィンランド人がしゃべっているものを聞かせても意味がなく、実際に近くにいる方の『生の声』で聞かせることが重要です。ですので、フィンランド人の友人がいる際は一日30分以上フィンランド語で話しかけてもらうこともいいですし、ベビーシッターを雇い、フィンランド語で話しかけてもらうでもいいと思います。(オペアなどは自宅に住んでもらい、独立したお部屋と食事、場合によっては日本語学校に通う費用などを払い、お小遣いをあげる事でベビーシッターをしてくれるので、共働きのご家庭は、こちらを検討してもいいかもしれません。)
ご自身が話して聞かせる場合は発音を徹底的に練習しましょう!特に日本人が聞き取れない音『L』は
意識して発音する必要があります。具体的には前歯の裏に舌の先端をつけます。舌先をどこにもつけず『L』の発音は絶対できないと覚えておいてくださいね。
『L』と『R』を意識して使い分けることに集中しましょう!!!
日本人はひらがなカタカナに縛られて外国語を発音する傾向にあります。日本語のアルファベット、ひらがなカタカナは子音と母音のセットで一つの音と認識されているため、小さな『っ』や『じゃあね』などの最初の『Z』など例外を除き、母音で終わらないとなんだか気持ち悪い、発音しにくいと感じてしまい、これを外国語を発音する際も使ってしまいます。意識して直していきましょう!!
例えば『hehkua(光る・輝く)』この動詞の場合、2個目のHには母音が続いていないので、2個目のHを発音する際には『E エ』の音を意識的に無くす、または息だけを吐くようにします。『へへクア』ではなく『へッへクア』というように、聞こえるかな?というほどの息を一瞬吐きます(笑)
『kevät(春)』は『ケバット』と言ってしまうと最後の『T』に母音の『Oオ』の音を勝手に足してしまうことになるので、『ケバットツ』、、、(文章では伝わりにくいのですが、Minecraftというゲームをやったことがあったら、ダメージを受けている時の『t』の音です。これを遊んだことがないと分からないのですが(笑)、、)
『Ä』の発音は『あ』を大きな口を開けて発音した際、舌の中央に力を入れ、少し喉の入り口を塞ぐ感覚で発音します。英語の『cat』もこれと同じ『Ä ア’’』 で発音します。
ちなみに英語の『TH』は前歯上下の間に舌先を軽く挟み『サァ』と発音し音を逃すのですが、はさまなければ『TH』の発音はできません。
フィンランド語の発音を詳しく知りたい方はオンライン個人レッスンを実施していますので
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2.動画を見てもらう、聞いてもらう
生後8ヶ月からは動画を見せても、BGM状態でもいいので聞かせます。特に小さなお子さんは色がはっきりしていて同じ単語を繰り返すものから始めて、幼稚園生や小学生になる頃には、日本語で見ているアニメなどと同レベルの外国語バージョンを見てもらうといいと思います。幼稚園生なら『パッパーピギーPipsa possu』小学生なら『スポンジボブPaavo sieni』くらいのレベルですね。外国語で話すyoutuberの動画もいいと思います。第二言語の方も理解できるようになってくると、日本語でもどちらでも
内容が楽しいものを見たい!となりますので、面白い外国語のコンテンツがあれば日本語より見たい!と自動的に検索してくれるようになります。
日本語の語彙力が減る、他の教科の成績が下がるといった理由から第二言語を早めに教えないほうがいいという意見もありますが(他の教科の成績が下がるという声がある一方で、バイリンガルの方が他の教科の成績がいいなどモントリオールの研究があるなど賛否両論意見が分かれるところですね)早い段階で二種類以上の言語のシャワーを浴びていない子供に、小学生から家庭で言語を教えることはかなり大変です。小学校で教えてくれている英語はまだ興味を持ってくれる可能性もあるのですが、教えてくれない第二言語の学習を遅めにスタートさせると、子供から『この言語を学習する意味があるのか?』『日本語で観たい!!』と抗議の嵐にあいますので、小学生以降の段階での学校では教えてくれない第二言語の学習をしてもらうことは、ほぼ不可能となります、、、。次に可能性が出てくるのは、留学を考える高校生時期や大学、社会人などの時期ですが、もうこの時期ともなれば完全に子供の思考で生きていますから、親の意思で言語学習を子供に望むことは出来なくなります。
3.親側が言語の学習、外国の方との定期的な交流を楽しむ。
親が自ら興味を持ち、自ら楽しんで語学を学ぶ姿勢や、現地に遊びに行ったり、交流を楽しんでいる際、積極的に言語を使う姿を目にすると『この言語の学習は有意義だ』と子供に感じてもらいやすくなります。大人もそうですが、無理やりやらされるよりも、自ら楽しんで学ぶ方が楽しいですし、学習も早いですよね。第二言語に対してポジティブな印象を持ってもらうことが大切です。
4.継続する。
これは子供でも大人でも同じなのですが、持続して喋ったり、聞いたりしていないと、第二言語は使えなくなっていきます。正確に言えば『覚えているけど、すぐに思い出せない状態』に陥るのですが、子供は大人の3倍早く覚え、使う機会がないのであれば3倍早く使えなくなっていきます。継続するためには、本人が興味のあるコンテンツを探すこと、子供自身に学習中の第二言語を母国語としている友達を見つけることなど、その言語に関わり続けることが大切です。
以上、長くなってしまいましたが、何かの参考になれば幸いです。
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