こういう霊能力だの迷信の類について話をしていると、母親から言われたことを思い出す。

「私はいつでもあなたの味方です。」

しかし、俺にはそれが嘘だとわかっていた。

なぜと言って、母親は、俺が「幽霊なんておかしい」「血液型占いは嘘だよ」といくら言っても一笑に付すのみで、こちらの言い分を聞き入れもしなかった。

これまで紹介してきたような、屁理屈を振りかざして。

その態度を見た瞬間、「ああ、俺の味方だなんて嘘なんだ。」とわかった。

俺の味方というのなら、俺に同意して当然だが、そうではなく、俺を否定する側に回った。

それなのになぜ、平然と、「あなたの味方」などと言えるのか?

想像だが、彼女の言う「味方」とは「自分の側にいる場合のみ」という前提があるのだろう。

つまり、「私の味方をしている限り、あなたの味方」ということだ。

実に当たり前の、(本人は、母親らしい愛情を発揮して言っているつもりかもしれないが)ごく当然の人間の感情だ。

そうでなければ、おそらく、「息子が間違った道に進んだら、引き換えさせるのが味方をするということ!」とでも思っているのだろう。

マンガ「NARUTO」では、主人公・ナルトのライバルであり親友のサスケが、ナルトを裏切って敵に回ったとき、ナルトは「両手両足へし折ってでも連れ戻す!」と言っていたが、そういう態度が、彼女にとっての「味方」ということなのだろう。

しかし、ナルトの件もそうだが、個人的には「味方になってはいないな」と思う。

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