1か月間かけて公開してきた米国シリーズでしたが、
いかがだったでしょうか。
最初の記事で記載させて頂いた通り、
1人でも多くの方が、本シリーズを通じて
海外に興味を持ってくだされば幸いです。
さて、ここでお知らせがあります。
この度、現職の監査法人を卒業して、
新たなキャリアをスタートすることになりました。
新しい仕事は、今まで以上にファイナンス色が強く、
会計士が典型的に従事する仕事とも少し異なるように思います。
そのため、「東大首席会計士」としての更新は
今回で最後にしようと思います。
2009年2月20日に願書を提出してからブログを開始しましたが、
早いもので、すでに8年が経過しました。
当時、「24週間の独学で公認会計士試験に合格」して書籍を出版したいものの、
「短期間」の「独学」ということで、信頼性の確保が課題であると考えていました。
そして、その課題を克服するための手段として、
「毎日リアルタイムで学習内容、時間、費用などを記録」することで、
信頼性を確保するというアイデアにたどり着きました。
合格していないうちから
「半年弱で公認会計士試験を独学で合格する」
と宣言することは失敗の可能性も考えるとリスクもありましたが、
最終的には無事に合格することができました。
そして、実際に書籍も出版させて頂くことができ、
皆様に受け入れて頂くことができ、
拙著をご覧になって勉強した結果、
公認会計士試験に合格できたという
うれしくご報告も頂くようになりました。
書籍の成功は、雑誌への寄稿といった関連領域への広がりを見せると共に、
テレビなど、今まで知らなかった世界を覗き見る機会も得ることができました。
こうしたことの原点が本ブログにあると思うと、
ブログを書いて本当に良かったと感慨深く思います。
更新しなくはなりますが、ブログ自体はそのまま残しておき、
メッセージやコメントなども可能な限り拝見するように致します。
そのため、いつでもご連絡頂けますと幸いです。
今になって思うことは、公認会計士は非常に魅力的な選択肢であるということです。
活躍できる領域としても、会計監査、税務をはじめ、
アドバイザリー、コンサルティング、金融、一般事業会社、IPOなど
様々な可能性が広がっています。
また、活躍できる業界の幅広さに加えて、海外勤務のチャンスも多くあります。
他の専門職と比較しても、特に際立っているのではないでしょうか。
例えば、金融のような仕事は、グローバルの要素が強く、
一般に英語が得意ではないと考えられている日本人を
現地人やトリリンガルの中国人などに優先して
採用する理由は見つけにくいでしょう。
こうした場合、日本人メリットがあるところで
存在感を出していくと思いますが、
総じてニッチな領域になると思います。
逆に、弁護士はローカルの制度に根差している面が強く、
日本の弁護士が海外で定着するのは、より難しいように思います。
医師、コンサルタントのような仕事は、
「同じ背景を持っている人」によるメリットが大きく、
現地に入り込んでいくには、
「日本人であることが不利」になりうるのではないでしょうか。
公認会計士の仕事は、例えば、
世界共通である会計監査の専門性をベースとして仕事ができ、
海外で活躍する日本企業のサポートという側面から、
日本人への需要のパイも比較的大きいと思います。
また、上場企業の駐在と比較すると、
フラットな関係で働くことができ、
より、現地の人や文化に触れるチャンスがあるように思います。
さらに、英語と専門知識があれば、世界のどこでも仕事が見つかるため、
例えば、家族の都合などで海外転勤になっても
比較的職を見つけやすいのではないでしょうか。
このように公認会計士として、様々なアンテナを張って努力を続けていれば
非常に魅力的な活躍の機会が広がっているように思います。
多くの若手会計士、社会人、学生の方が、この業界の魅力に気付き、
理想のキャリアパスを歩んで頂くことを願っております。
今まで本当にありがとうございました。