無数の中の~40 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『見てみて・・・何コレ?何時代?積年の恨みをはらしてくれて御礼奉る!だって。


はははっ・・・コレもおかしい・・・この絵、瑠奈ちゃん?刀を振りかざす女子高生?!


斬新なキャラで面白いっ!』


手紙はざっと数えて30通程だった。


足元に落ちた手紙を咲ちゃんは、興味津々で覗いてる。


『これってさ、ファンレターなんじゃない?』


「ファンレター?」


そう言われると、宛名が九条様とか瑠奈様とか・・・見た感じイタズラとか嫌がらせ


ではなさそう。とにかく落ちたモノも全てかき集めて、靴を履き替え教室へ向かう。


『もしかして、あの子ってかなり恨みかってたんじゃない?だから髪の毛をバッサリ


やっちゃった瑠奈ちゃんは、ヒーローなんだよ!正義の味方って事なんじゃない?』


自分の事の様にワクワク顔の咲ちゃんは、今にもスキップしそうな程ハイテンション


で話し続ける。


『実はね、同中だった子からメールで瑠奈ちゃんと高宮さんの激しいキスの事や


バッサリ話を聞いて、また誰かが吐いた嘘だろうなって思ってたの。


だから瑠奈ちゃんに連絡しなかったんだけど・・・ホントだったんだ・・・えっ?


あっ、じゃあキスも?キスもホント?ホントにすごーい激しいキスしたの?


前を歩く咲ちゃんは、キスキスと何度も大きな声で叫び、興奮した様に振り返る。


「あっ!咲ちゃん、危ないっ!」


咲ちゃんの背後に、あの彼女。


待っていたかの様に、仁王立ちの彼女に思い切り背中からぶつかった咲ちゃんは


相手が彼女だと気がつくと、何を思ったのか・・・それとも何も考えてないのか・・・


『あっ、どうも。バッサリだね・・・かなりいい感じ!うん、似合ってる。ははは・・・』


彼女に愛想笑い。


『アンタじゃないから。』


『はっ?』


『話があるのはアンタじゃない。』


額の端にピクピクと怒りを表してる彼女に圧倒された咲ちゃん。


『あぁ・・・私じゃないよね・・・そうだよねぇ・・・あの、ぶつかってゴメンネ。


じゃ、あぁっ!!瑠奈ちゃん、今日、私日直だから先に行くね♪』


なんて言って、私を一人残して走り去っていく咲ちゃん。


いくらなんでも、ちょっと薄情すぎじゃない?


クリックお願いします♪

 にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

にほんブログ村


39 /目次 / 41