天使の気まぐれ5 | 恋愛小説 くもりのちはれ

伯父は、歩君に圧倒されたまま、それ以上楯突く事もせず


『奈緒、お前があんな奴と付き合ってるから、アイツは殺されたんだな。』


帰り際に、悔し紛れに酷い言葉を吐いて帰っていった。


伯父の事もあり、更に心配だと加奈とミキが話をしていると・・・歩君が


『奈緒、しばらく俺と一緒に暮らさないか?


俺んトコならセキュリティも万全だし、俺もダチも心配しないで済むだろ。


せめて犯人が捕まるまでは、なるべく一人きりになるのは避けたほうがいい。』


その言葉を聞いて、加奈とミキも歩君が一緒なら安心だと頷く。


「でも・・・私、さっきのお金も・・・病院も、葬式の事も全部、歩君に・・・


これ以上、歩君に迷惑かけられないよ・・・」


すると・・・歩君は、私の横に座り肩を優しく抱き寄せ、そして・・・


『何も迷惑なんかじゃねぇ・・・俺、言ったよな・・・覚えてるか?


俺は、必ず奈緒を守るって。


今それしないで、何時やんだよ。頼むから・・・俺んち来い。


なっ、俺に奈緒を守らせろ』


この時の私は、傷つき弱り果て、あまりのダメージに息する事さえ必死だった。


だから、歩君に悪いと思いながらも甘えた。


『歩君と一緒に居たい。歩君の家に行く。』


私は、歩君だけが支えだった。


後から考えても・・・あの時、歩君がそばに居てくれたから、守ってくれたから


私は、立ち直れたんだと思う。



あれから9ヶ月・・・未だ事件は解決していない。


私は、部活は辞めたけれど・・・高校には、きちんと通い三年に進級した。


今は一学期の期末考査の目前で、頭から煙が出そうなほど勉強中。


『奈緒ちゃん、お茶にしない?そんなに根詰めてたら、頭、爆発しちゃうよ!』


部屋の扉を開けて、そう声を掛けてくる、君のお母さん・・・由美さん。


あの日、歩君が私を連れて帰ったのは、あの高層マンションではなくて


純和風な大きなお屋敷だった。


そのお屋敷はテレビドラマで見るような、まさにその通りな門構え、


入り口付近に立つ数人の男達は・・・やっぱり普通じゃなかった。


周りにいる男の人たちは、いかにもって感じの恐持てぞろいだったけど


お母さんは、優しくて、綺麗で・・・


そんな風に言うと、歩君は『奈緒、お前はだまされてる』って笑って言う。


でも此処で、この9ヶ月嫌な思いを一度もしなかったのは・・・


やっぱり由美さんが、私に居心地のいい居場所を作ってくれたから。


職業さえ聞かなければアットホームな渡会家で、今、私は守られている。



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