クリームソース2 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『黒岩さん、娘は学生ですが、菓子作りは小学生の時からさせてます。


そこらの菓子職人よりも、腕はいけるんですが・・・どうでしょう?』


父さんの提案は、学校が終わった後と早朝に、この家でベースを作らせてもらい


デコレーションと盛り付けの指示をすれば良いと言う・・・なんとも無責任な話。


云わば・・・結局、自分は関わらずに、私に丸投げって事???


『簡単に言われますが、当リゾートのディナーの代金に沿ったものをゲストに


提供できなければ意味が無いんですよ・・・申し訳ないですが、お嬢さんに


それができるとは思えませんが?』と冷ややかな目で私を見る。


ムムッ・・・なんだか・・・ムカつく!!!ただでさえ馬鹿にされてるのに・・・


私、これでも・・・数あるスイーツコンテストで、いくつも賞を取ってきたのよ。


スイーツ界の新星と呼ばれてんだから。見てなさいよ、やってやろうジャン。


馬鹿にされてばかりも、なんだか気にいらない。


「父さん、私やる!今まで店にいた時間を、こっちにくればできない事は無いもの。」


突然の私の宣言に、黒岩さんは『遊びじゃないんだぞ』と不服そうな表情。


「私で不服?」私の質問に


『あぁ・・・まあね、お前が繊細な物を作れるとは思えねぇ。』と気に食わない返事。


「じゃあ、一度此処でテストしてみてよ!」フフッと笑う私。


黒岩さんは『やる気満々じゃん。』とニヤリと笑う・・・んんっ?何だ?・・・???


さっきとは表情が違って見える・・・してやったり顔???もしかして・・・


『さすが自信あんだな・・・世界の名の知れたパティシエ達を差し置いて・・・


取った金賞の数・・・片手じゃ足りないっていう女子高生だけはある。』


えっ・・・なんで知ってんの・・・取材も全てお断り。名前も仮名で出場してるし・・・


『で、明日は土曜だから、早速テストさせていただくよ。』話を進める黒岩さん。


やられた・・・全て計算だったんだ・・・パティシエに断られた処から全て・・・


「最悪・・・ひどい・・・もしかして嵌めたの?」恐々と訊いて見る。


『心外ですね・・・嵌めるなんて、さっき、やるって言ったのは貴方じゃなかったけ?』


有無も言わさない程のオーラと気を感じたのは、父さんも同じらしい。


『亜子・・・どうするかな・・・正体バレてるらしいぞ・・・やってみるか』


自分より娘を選ばれた屈辱もどこへやら・・・それでも軽い感じな父さんは


よく言えば・・・とても良い人、悪く言えば・・・究極のお人好し。


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