友人Mの証言19 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『加奈、ミキ・・・ずるいよ・・・ふたりとも。ちゃっかり彼氏作っちゃって・・・


あーあー・・・神様、この親友ふたりに先を越された寂しい少女に


素敵な出会いを・・・』


加奈と奈緒と机をくっつけて、お弁当を食べていると突然、箸を持ったまま


祈りだす奈緒・・・箸の先に、ご飯粒ついてるんだけど・・・。


『奈緒は、好きな人いないの?』加奈が尋ねると


『うーん・・・あのさ、加奈は井上先輩のどこが好きなの?』答えになってない。


『えっ・・・私?・・・先輩のどこがってわけじゃなくて、先輩自身がかな?』


フフッと照れて頬を赤くする加奈。


『全部って事?でも、でも井上先輩も欠点あるでしょ?目つき悪いとか・・・


究極Sとか・・・実は、影のボスとか・・・喧嘩っ早いとか・・・』


奈緒の中の井上先輩って・・・イメージ悪すぎる。


『あのね、ノロケと思わないでね・・・先輩の事、私も最初は怖い人だと思ってたの。


でもね、全然違う、誰にでも優しいんだよ。わかってもらえないかも知れないけど・・・


あんな優しい人、たぶんどこにもいない。』


はぁー恥ずかしい・・・頬を両手で仰ぐしぐさが、可愛いすぎる。


『ねぇ、ミキ・・・加奈は、完全に詐欺られちゃってるよね?もう、手に負えないよ。』


奈緒が、玉子焼きを頬張りながら、同意を求めてくる。


「うーん、どうかな・・・でも、加奈が幸せなら、それで良いんだよ。」


以前の私なら、「そうそう、アイツはヤバイ!!」って言っていた・・・きっと。


今なら判る気がする・・・加奈が井上先輩を好きになった気持ち。


「加奈には井上先輩が一番合ってると思うよ。」私がそう言うと


『アリガト』って加奈が微笑む。


『ちょっとちょっと・・・何ふたりで見つめあちゃってるの・・・何かムカツク・・・


幸せすぎて色ボケ同士、勝手に盛り上がっててよ・・・さみしい私には・・・


春はまだまだ・・・遠いよぉ・・・』奈緒は、はぁーと大きな溜息を吐く。


『はーるよ来い・・・はーやく恋ってか』フフフっと壊れ始めた・・・奈緒。


そんな奈緒の・・・素敵な恋のはじまりは、すぐそこに近づいている。



※次は、奈緒のお話を書くつもりです・・・見捨てずにお付き合いくだされば幸いです。

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