ポツ・・・と冷たい水滴が空から落ちてくる・・・
大きく叫んだ私の言葉が、優に届いたかどうかは、わからない。
ポツポツと降り始めた雨が、少しずつ辺りを濡らしだす。
優は、幅狭い手摺の上に片足を上げ、こちら向きに体勢を変える。
雨が降り注ぐ天を仰ぎ、はぁーと大きく息を吐き、こちらに目線を向け
『俺、別に、ここで死ぬって一言も言ってないぜ。
ただ、今か2週間後かって聞いただけだ。』
そう言って、軽々と舞い降りるかのように、高い手摺から飛び降りた。
そして優は、私を見つめて・・・フラフラと歩き出す
『麻井・・・お前って・・・ホント・・・何なんだ?』
搾り出すような震える悲しげな声・・・
『お前は卑怯だ・・・真っ直ぐすぎて・・・』
よろけながら・・・少しずつ、近づいてくる・・・
『お前っ・・・ホント・・・眩しすぎんだよ・・・』
あと数歩で触れられる距離・・・
『やっぱ届かねぇ・・・』
そして私の方に手を伸ばしたまま、膝から崩れ落ちる様に優は倒れた。
それからの事は、まるでコマ送りの映像を見てるようだった。
あまり記憶が確かではない。
優のそばに駆け寄り「優っ・・・優っ・・・優っ・・・」と名前を呼び続けてる私。
『大丈夫、救急車来たから』とコウ君は、私を抱き起こす。
コウ君の先輩が救急車を既に呼んでいて、優が担架に乗せられていく様を
私は、雨に濡れながら、コウ君の腕の中で呆然と見ていた。
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