another side 1-3 | 恋愛小説 くもりのちはれ

結城君のお見舞いの日。


病院へ行くには似つかわしくない服装だったかな?


ショーウインドウのガラスに映る自分の姿を見つめる。


井上先輩と待ち合わせの駅前・・・


なんか、デートみたいだよなぁ・・・これじゃ。


ブーツのつま先に視線を落とし・・・


私って非常識・・・結城君は怪我をしたのに・・・


と考えていると、私の前に人影ができる。


『斉藤、わりぃ・・・待たせた。』


見上げると、井上先輩・・・んっ・・・先輩だよね?


えっ・・・かっこいい・・・結城君とはまた違って・・・


知的な感じ・・・


「先輩ってもしかしてイケメン・・・」言葉にしてしまう。


『お前、また、何今さらな・・・


俺は生まれた時からずっとこの顔で、いい男なんだけど』


知らなかったの?と返される・・・


知らなかった・・・うん・・・だって、結城君ばかり見てたし


気にもしてなかったし・・・


でも、よく考えると、バレー部ってイケメン集団って噂されてる。


この人もそのうちの一人なんだよな、きっと。


『えっ・・・特別室?』病院の受付で部屋を聞いた先輩の声。


そりゃあ驚きだよね・・・だってこんな大きな大学病院の特別室。


よっぽどのVIPじゃなきゃ入院できないんじゃないの?


良くわかんないけど・・・庶民だから、私・・・。


『斉藤、最上階の特別室1-Aとか言ってるんだけど・・・』って


先輩も少し戸惑ってる。


とりあえず行こう・・・こっち・・・と言って先輩が足を向けたのは、


一般の人が乗るエレベーターとは違う別のエレベーターホール。


特別室ってエレベーターから特別なんだぁと感心する。


井上先輩も、何かしら感じたのか・・・


『結城って何者?』って困惑気味だ。


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