リコⅤ4 | 恋愛小説 くもりのちはれ

テレビの中のセレブの世界みたい


何、この部屋・・・ていうか・・・ここ本当に学校?


敷き詰められたカーペットがフワフワしてるし、異常に高い天井


ヨーロッパのお城に良くある天井の壁画、空と雲と太陽と数人もの天使の絵


天井からつるされた・・・煌びやかなシャンデリア。


「お城みたい・・・」呆然と立つ私


そんな私を気にもせず優は、『ミルクを入れるのこれで良い?』と、いかにも高級


そうなお皿を差し出してくる。


「それはちょっと・・・使えないよ・・・」


優は、そんな私のセリフを気にもせず、私の片手のミルクを奪い素敵なバラ模様


が消えるくらいまで、皿にミルクを注ぐ。


『悪趣味だろ、ババァ。こんな物に金かけてんの。生徒からたっぷり寄付金巻き


上げてんだよ。』


そういや以前、聞いたなぁ・・・理事長の息子だって。優に確認しなかったけど、


本当だったんだ。


「優ってすごいんだね・・・すごくお金持ちなんだね」


未だ周りを、キョロキョロ見回して驚いている私


『金があってもね・・・良い事ないんだよね。


まっ、俺みたいな息子が居るってこと自体が一番の不幸なんだよな、これが』


子猫を抱き上げミルクの皿の前に降ろし


『お前、麻井に見つけてもらって、良かったな』優は、愛しそうに猫の頭を撫でた。



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