ブログネタ:オススメの映画は?~クチコミ映画祭開催中! ~

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アメブロさんが何やら面白いことをはじめたので、便乗してみますね。
といっても、マイナーというか、知られてない映画がほとんどかもしれませんが、あしからず。

『楽園の瑕(東邪西毒)』監督:王家衛、出演;張國榮、梁家輝、梁朝偉、張學友、林青霞、劉嘉玲、張曼玉、楊采[女尼]他。
オールスター・キャストの香港映画としては、異常に受けず、かつ、異常に海外評価の高かった、ウォン・カーワイの古装もの。
金庸原作の『射[周鳥]英雄伝』に出てくる東邪・西毒・南帝・北丐という四人の武術家の若かりし頃、という話なのだが、結局は、メンツにこだわって愛を貫けなかった男女が中年になって過去を振り返るほろ苦い話になってしまい、香港人や香港映画を愛する人々が期待していたカンフーないし古装映画からほど遠いものになってしまった。
そのぶん、昔のフランス映画の香りが程よくきいていたので、海外評価が高かったものと思われる。
役者たちの演技は抜群すぎるぐらい抜群で、レスリーのひねくれかた、レオン・カーファイの虚無、ブリジットの狂気、カリーナの孤独、マギーの追憶、トニーの悔悟、チャーリーの頑固にジャッキーの爽やかさと、一人一人の役者の見せ場がすばらしく、印象的すぎるぐらい印象的な作品。
香港映画と思わずにみるとよいかも、などという余計なお節介をしたいぐらい、みてほしい映画なのです。でも、みる人を選ぶことは承知しております。

『大英雄(射[周鳥]英雄伝之東成西就)』監督:劉鎭偉、出演;張國榮、梁家輝、梁朝偉、張學友、林青霞、劉嘉玲、王祖賢他。
『東邪西毒』のマッドフィルム。話としては前編にあたる。しかし、役者が入れ代わっているので、続きものとは気づくまい。しかも監督が違うので、トーンがまるっきり違い、華やかなお正月映画に仕上がっていて、香港人の受けもよく、かなりヒットした。
オールスター・キャストのバカ映画としても十分に楽しめるが、上記の『楽園の瑕』とあわせてごらんいただくと、役者の演技の幅に目を剥くだろう。そして、役者たちがいかに楽しくバカをやっているかも堪能できると思う。
実は当初、『東邪西毒』はストーリーとしてこの作品の続編として考えられており、配役もそのままだったのだが、例によって王家衛が時間をかけすぎて、途中でストーリーが全部放り出されて、役者の配役もし直し(その段階で、スケジュール的についていけなくて、王祖賢が脱落したという)二年半もの歳月をかけて『東邪西毒』が完成したという経緯がある。そこで、この『大英雄』を早々と仕上げて旧正月映画として送り出し、スポンサー側をなだめたとかなだめなかったとか。
そんな経緯は吹っ飛ばすような、とにかく楽しくおばかでお茶目な映画なのである。トニーのたらこ唇も、家輝の女装も、カリーナの男装もすごいが、レスリーの流し目剣法には笑いをこらえることができない。
百聞は一見に如かず。香港映画に興味のある方には、あまり問題なくお勧めできるので、一度、みてほしいと思う。
……しかし、日本に流通しているビデオが北京語バージョンなのは、いかがなものであろうか?私は広東語バージョンでみているのだが、なんかいろいろ違う気がするのだが。

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以下、お勧め作品を追加投入する予定です。