原題:Finding Neverland
監督:マーク・フォースター
出演:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、フレディ・ハイモア、ダスティン・ホフマン

1904年ロンドン、劇作家のジェームズ・バリーは新作の不評で行き詰まっていた。そんな彼が公園で知り合ったのは、四人の子供を抱える寡婦。子供たちとの交流を通して、彼は新しい作品に取りかかるが、寡婦との関係が醜聞となり、妻は去る。新作ピーター・パンは成功するが、寡婦は病を得てネバーランドへと旅立つ……。

あ、いや、そんな話ではなくですね、四人の子供の三番目のピーターというのが、この映画の要なのです。子役のフレディ・ハイモア、天才と言われていますが、ほんとーにすごい!

この映画の厭味なぐらいベタな作り方に反感を買われる方もいるかもしれません。安心して泣きたい方には絶対にお勧めですな。
私はこの手の泣かせる映画はかなり苦手なのですが、「してやられた!」と思うぐらい泣かされました。くっそー。
いや、うまいぞ、というのは、何かしらオーバーラップするものがあるんだろうかと思います。
子供の心を失っていない大人のための物語。

ジョニー・デップの作品をみるのは三本目です。『パイレーツ・オブ・カリビアン』ではじめて知ったというのは、きっと遅すぎるんでしょうね。『シークレット・ウィンドウ』は彼が主演でなかったら最後までみられなかったかも、と思いましたが、この作品は、そういう意味では、シナリオもよくできていて、ジョニー・デップでなかったら、どうなるかなぁという楽しみがありますね。たとえば、ジュード・ロウ(←スカイキャプテンみたばかりだから?)だったら、とか(^_^;)。

しかし、繊細で子供っぽい、夢みがちな男を演じるという意味では、やはりジョニー・デップは、最高の役者かも。しかもエキセントリックでありながら抑制された演技というのは、すごくむずかしいんじゃないかと思います。
共演のケイト・ウィンスレットも演技の抑制を要求されて、大変だったとこぼしておりました。とにかくひたすら、おさえたトーン、おさえた演技……いやでも、淡々としているわけではないのでして。
いまいち作品売れなかった劇作家が、子供をテーマにした作品で一躍有名になりますという成功譚に、からんだ女性の死で泣かせるという落ちは、あざといといえばあざといでしょう。
まぁ、もともと舞台劇だそうですし。

昨今この手のベタな泣かせのストーリーというのが受けにはいる時代らしいので、それに反発する向きもあると思いますが。

くっそー、泣かされちゃったんだから、仕方ないじゃないか。

いや、劇中、さまざまなものごとにそっぽを向いてるピーター君に自分を重ねていって、最後に彼が母の死で泣くという、重要なオチの部分、やっぱり涙をこらえられなかったのは、実際がどうであっても、演劇というひとつのカタルシスを求める構成をきっちりと踏んでくれているということなのだろうかと。

……う~ん、うまく説明できないなぁ。
やっぱ、泣いたほうが負け?