2013年5月23日(木)
21日(火)に、卵巣の凍結保存の話を聞くために、
とある大学病院のとある科を訪れたときのお話 遂に堂々の完結編
その①のラストより
診察の順番がきたことを告げるポケットベルが激しく鳴り出して…
先生と遂にご対面
待ち時間が長くなったことを真っ先に気遣って下さり、
わたしの怒りはすぐ吹っ飛んだ
お忙しいところ、長時間説明と質疑応答に時間を割いて下さった
先生はまず、
『わたしは癌を専門にしています
癌を治療することをまず、考えて下さい』とおっしゃった
先生からのお話をまとめると以下のとおり…
【注意】乳がんで『妊孕性保存』や『卵巣保存』とのことが気になって、
知りたくて、この記事を読まれている方へ
気をつけていますがこの記事には間違いや
2013年5月の段階では最新ですが、
医療は刻々と進歩していますので、情報か古くなっているもしれません
そして、わたしの主観が多分に含まれています
どうか、気になるのなら、先生から直接お話しを伺ってください
先生がきっと一緒に考えてくださいます
①この治療にあたっての基礎知識
まず、卵巣で卵子ができるまでの流れについての説明
・月1回の排卵(卵子1個)のために、原子卵胞が約500個必要であること
・この原子卵胞約500個を準備できなくなると、排卵がストップすること
⇒高校の生物の授業みたいだった(笑)
閉経とこの排卵ストップが完全にイコールではないらしい
排卵ストップしてるけど、閉経してないって状態はあるそうだ
この辺、よく分からんので、曖昧っす スンマヘン
卵子の元となる原始卵胞が、35歳で1~2万個までに減少すること
そのため、健康な人でも35歳以上になると自然な妊娠が徐々に難しくなってくると
言われるそうな
⇒ふむふむ
抗がん剤治療をすると、
健康な人の35歳:原始卵胞1~2万個
乳がんサバイバーの35歳:原始卵胞1~2万個より少なくなる可能性あり
つまり、排卵ストップのリスクあり
②治療研究の歴史的背景
昔は、癌をなんとか治療して生き残ることがまず優先されていた
→子どもを残せるかどうかを考えることが難しい時代
今は、癌で生き残ることができるようになってきた
→QOL(クオリティ・オブ・ライフ):
ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のこと
が重視され、子どもを残せる可能性を拡げる研究が行われてきたそうな
↓↓
↓
まず、卵子の凍結保存が試みられてきたそうだ
しかし、
・卵子は凍結に非常に弱い→10個残して1個成功するかしないか
・排卵は月1回で、そのとき卵子1個だから、
10個採卵しようとすれば、10カ月必要となり、
その間抗がん剤治療を遅らせれば、癌は進行しちゃうので絶対『NG』
・卵子をたくさん取るため、排卵誘発剤などを使うと
それが癌の進行を早めちゃうかもしれないので、これも基本『NG』
↓
↓
↓
次に、受精卵(胚)の凍結保存が始まったよう
受精卵はわりと凍結に強いようだ
ただし、これは結婚していることが必要
↓
↓
↓
そんなら、上で書いた卵子の元になる原子卵胞いっぱい含んでる
卵巣を凍結する技術はどーだ、これなら未婚の人も対象だ!いうことで
研究はヨーロッパから広まったようだ
日本では、わたしの訪れた病院が2009年度から臨床試験として開始
2013年現在、日本では5つの大学病院で臨床試験中とのこと
北海道(1)・関東(2)・関西(1)・九州(1)
③これまでの実績
紹介先の病院では、既婚者と未婚が半々
年齢は30代前半が多い
⇒わたしの29歳は実績の中にもいらっしゃるようだが
分布的には最も若く、治療対象は基本30代のようだった
わたしよりもっと若い患者さんには原子卵胞の話を聞いてもらって
帰ってもらうことがあるそうだが、
しかし、わたしの29歳と4ヶ月は30歳とも考えられるから
大丈夫、大丈夫といって帰らしてあげられるかというと
グレーゾーンとのこと
④治療方法について
●卵巣は例えるなら、温泉まんじゅうのようなもので、
今の技術では、温泉まんじゅうを
そのまま凍結して保存するのは難しいのだそうだ
⇒わたし温泉まんじゅうを知らなくて、後からネットで調べた(笑)
●原子卵胞や卵子は温泉まんじゅうの皮の部分に含まれるので
この薄っぺらい皮をシート状で保存する技術は確立されてるので
シートにして凍結保存される
腹腔鏡下手術で卵巣片方を取りだす
↓シート作成時に保存できそな卵子がいたら取り出して凍結保存
シート状にして卵巣を凍結保存
↓
★癌の治療が完了し、再発のリスクが低く、
主治医の妊娠GOが出た
↓
シートを切り出し、残された卵巣に貼り付け刺激を与える
ちなみに、★の箇所で残された卵巣が元気で、
主治医もオッケーならば、
『どんどん妊娠しちゃえばいい』とのことでした(笑)
また、★の箇所で治療が完全に終わってないのに
どーしても子どもが欲しいので、
保存してるわたしの卵巣返してとなっても
先生は『NO』とのこと(誓約書にもそうあるようだ)
冒頭にあるように、あくまで、『癌の治療が最優先なので』
⑤手術・治療の危険性
腹腔鏡下手術は基本的に安全な手術だそうだが、
手術というのは100%ではないそうで
・失敗した場合開腹手術に変更となり、抗がん剤治療に大きな遅れ★
・乳がんとは転移しやすい癌のひとつ、この手術で転移が拡がる可能性
・腹腔内の近くにある腸に癒着し、後々問題発生の可能性
⇒この辺があくまで自己責任
ただし、もし★になった場合、わたしは大きく後悔することになると思った
⑥その他質疑応答
Q1.抗がん剤前に保存した卵巣に癌が既に転移していた場合、
治療後に卵巣を戻した場合、再発リスクはあるのか?
A1.ないとはいえないが、乳がんに関しては低いという
ヨーロッパのデータがあるようだ
Q2.抗がん剤治療で閉経してしまい、更年期障害になったら、
凍結保存していた卵巣を活用できるのか?
A2.あくまで妊孕性保存のための治療であるから、
更年期障害の治療としてのみでは活用できないようだ
Q3.産まれてくる子どもへの影響は?
A3.臨床段階であり、これから(2009年度から始まった)
出産年齢が高くなればリスクも高まるのは、健康な人と同じ
しかし、使う卵巣は若い時に保存した卵巣だというメリット
Q4.抗がん剤後、体内の卵巣が元気だった場合、
保存した卵巣を戻したりはしないの?
(保存した卵巣の方が若い時の卵巣だからね)
A4.今まで、100人近く面接してきたけど、初めての質問
⑥費用の話
金額には本当に掛かる費用のみ!
(↑つまり、病院の『儲け』は含まれてないということ)
しかし、臨床試験なので、全額自費負担
3泊4日の入院が必要
⇒もし、開腹手術に変更しなければならない事態になっても
自己負担かもしれない、そこまでは聞けなかったけど
ズバリ!!!
50万~60万円
さ~て、いよいよ大詰め
これらを踏まえて、わたしが下す決断は…
続く