誰も予想出来なかったでしょう。
本人でさえ。
特養入所中のAさん
現在施設で看取りを行っています。
Aさんの左足は壊死していて、足首から下は真っ黒に炭化しています。
足首から上も、今も壊死が進んできています。
Aさんを激しい痛みが襲っています…
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
Aさんの食事量が落ち始めたのは2カ月ほど前で、家族の希望で徐々に看取りへと移行しました。
その時すでに栄養状態が悪く、足指が少しずつ膿んで黒っぽくなっていました。
看取りを希望していたため、積極的な治療は望まれませんでした。
Aさんの体は、手術の麻酔や、治療には耐えられないと主治医からも判断されたからです。
でも、Aさんは、今も生きています。
Aさんは少しずつ、一生懸命スタッフの介助により食事を摂っているからです。
毎日毎日、看護師さんや介護スタッフが洗浄を消毒を行っています。
処置の途中、Aさんは不自由な体をギュッと強張らせ、叫ぶように口を開けて痛みを訴えます。
本当に辛い光景です。
関わっている私たちも本当に辛いです。でもこれが現実です。
手を握って、体をさすり、励ますことしかできない。
Aさんは優しく、他の方を気遣うとても温厚な方でした。
昔は足が速くて、「誰にも負けなかったんだから」なんて、お元気な時に話していたことを思い出します。
誰がこんな最期を予想出来たでしょうか。
長い人生の最後の時間に、こんな辛い、痛みに苦しむことになるなんて。
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
私たちは、利用者の生活を支えて、安楽に老後を過ごしてもらうことが仕事です。
同時に、辛さ・苦しさ・痛みや悲しみにも向き合っていかなくてはいけません。
少しでも安楽に、穏やかになるように…
Aさんの最期に寄り添っていきたいです。