- 残穢 (新潮文庫)/小野 不由美
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映画化で話題の小野不由美作品「残穢」を読んだ。
ある女性が、引越したばかりの新居で聞こえないはずの音を聞き、
それをミステリー作家である「私」に相談すると言うところから話は始まる。
小野不由美 が好きな人なら、語り手である【私】という小説家が、
小野不由美 本人であると想像できるような書き出しで、
読み始めてすぐに、これは、小説なのか現実の話なのか?混乱した。
それは、読み進めるにしたがって、
「これは、現実の話なのだな」としか思えない展開になっていき、
そうなると本の中で起こっているいろんなことのリアリティが増してきた。
今、私は、自宅で一人きりで本を読んでいる。
何の音も聞こえないはずだが、何かの音がしているのではないか?
振り返ったら、何かが見えてしまうのではないか?
そんな恐怖に震えながら…
最終的には、1人でいるときには、この本を開くことが出来ないという状況に陥りながらも、
先が気になって、通勤電車の中で読み進めることになった。
話は、無駄に恐怖をあおるようなことはせず、淡々と進んでいく。
【私】によるレポートを読んでいるような気分にもなるのだが、
それが更に現実味を増し、恐怖を倍増している気がした。
その部屋で起こっていたいろんな現象は…
そんなところにつながっていくのか??という広がりを見せていく
いや、偶然だろうなどと始めは否定的にも見えた【私】が、
「それ」であると納得せざるを得ない結果になっていく…
私の部屋には、今は、何もない
これからもずっと何もないはずだとは思えない…