◇4強そろう
25日は準々決勝の残り2試合があり、鶴岡東が昨夏優勝の酒田南を破った。日大山形も熱戦の末、羽黒に競り勝った。これでベスト4が出そろった。26日は調整日で試合はなく、27日に山形中央-山形南、鶴岡東-日大山形の組み合わせで準決勝2試合がある。
〇…25日の結果…〇
▽準々決勝
【山形蔵王タカミヤホテルズ】
鶴岡東 002001001=4
酒田南 000100200=3
(鶴)渡辺-早坂
(酒)阿部翔-下妻
▽三塁打 依岡(鶴)
▽二塁打 神田浩、竹藤(鶴)三浦(酒)
羽黒 000210000=3
日大山形 02010001×=4
(羽)斎藤永-菅原弘
(日)冨塚、佐藤大-安部
▽本塁打 三浦(日)
▽二塁打 松本、小原(羽)相原、逸見(日)
◇「打てて良かった」
○…日大山形-羽黒戦で、同点に追いつかれた直後の四回裏に貴重なソロ本塁打を放った日大山形の三浦選手は「インコース高めの直球。苦手なコースだが思い切り振った」。二塁を回ってから、三塁塁審の手を回す仕草で初めてホームランと気づいた。「懸命に走ったのでボールの行方は全く見ていなかった」と笑った。今大会では思うように打てなかったため、3回戦の後、打撃フォームをビデオに撮り、タイミングの取り方を改良した。「打てて良かった。うれしい」とはにかんだ。
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■球音
◇制球力で要所を締め--鶴岡東・渡辺貴洋投手(3年)
絶体絶命のピンチは七回にやってきた。1点を献上し、リードはわずか1点。なお1死満塁。長打が出れば逆転の場面に「少しだけ気持ちが焦った」が、打者に集中して落ち着いて投げられた。酒田南の4番三浦は直球で一塁フライ。5番会田は三塁ゴロに打ち取ったものの野選で同点にされた。6番下妻には得意のスライダーで投ゴロに仕留め、逆転は許さなかった。
佐藤俊監督は「以前は走者を背負うとボールを置きにいって打たれた。精神的にタフになり落ち着いて投げられるようになった」と評価する。粘り強い投球に味方打線は奮起し九回に1点を奪い、その裏をきっちり抑えた。
直球は最速136キロと決して速くない。11安打を打たれたもののスライダーと直球を投げ分け、要所を締めて逃げ切った。スライダーは「打者を打ち取るのに一番有効だと思った」と中学1年のころ独学で習得した。スライダーに磨きをかけようと、この1年、1日50球投げ込んだ。基本に忠実に腕を大きく振ることだけを意識して投げ続けた。切れ味に加え、内角と外角に投げ分ける制球力も身についた。
相手を打ち取るイメージはできている。次の試合も「勝てると思います」と自信をのぞかせた。
毎日新聞 2010年7月26日 地方版