全仏オープンテニス第14日は6日、ローランギャロスで行われ、女子シングルス決勝で、第7シードのスベトラーナ・クズネツォワ(23)が第1シードのディナラ・サフィナ(23)とのロシア対決にストレート勝ちし、初優勝を飾った。4大大会制覇は04年の全米オープン以来、5年ぶり2度目。サフィナは2年連続準優勝に終わった。7日の男子決勝ではロジャー・フェデラー(27)が初優勝と4大大会全制覇をかけてロビン・ソデルリング(24)と対戦する。(パリ・山口奈緒美通信員)

 5年前に19歳で全米を制してから4大大会優勝に見放されていたクズネツォワが復活した。最後はサフィナの7本目のダブルフォールトで決着。「この瞬間を待っていた。もう一度4大大会に勝てると思えない時もあった」と静かに喜んだ。

 サフィナを序盤から翻ろうした。得意のフォアで左右と前に振り、ミスを誘発。わずか1時間14分でケリをつけた。「きょうは私のほうが少しいいプレーをしただけ」とジュニアからのライバルをいたわる余裕だった。

 有名な自転車一家の出身。クズネツォワも優れた運動能力で04年に全米を制したが、06年全仏と07年全米は当時の女王エナンに敗れた。「一番好きな大会で勝てて本当にうれしい」。世界ランク自己最高は07年の2位。次に狙うは女王の座だ。

 ◆スベトラーナ・クズネツォワ 1985年6月27日生まれの23歳。ロシア・サンクトペテルブルク出身。父は指導者、母は世界選手権優勝、兄は五輪メダリストという自転車一家に生まれる。7歳でテニスを始め、00年にプロ転向。04年に19歳で全米オープンを制し、世界トップの仲間入りを果たした。シングルスの自己最高ランキングは2位。1メートル74、73キロ。