一つ目は、戦国時代に武田信玄が浜松の徳川家康に正月の挨拶として贈った歌にまつわるエピソードです。
武田信玄はその前年、三方ヶ原で家康に大勝していたため、
次のような歌を贈りました。
松枯れて竹たぐひなき旦(あした)かな
「松」 は徳川(松平)を指しており、松(徳川)が枯れて竹(武田)が類なき正月を迎えていると皮肉ったのです。
これに悔しがった徳川家臣団の一人、
酒井忠次は機転を利かせて次のような歌に変えて贈り返したのでした。
松枯れで竹だくびなき旦かな
「枯れで」 「竹だくびなき」 と濁点の打ち方を変えるだけで、
松平は枯れないで、
武田の首は明日にはないと反対の意味にしたわけです。
常在戦場にいた荒くれの戦国武将でさえ、
このように豊かな言語的感性を兼ね備えていました。
「日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論」
鈴木孝夫(すずき たかお 1926~)
株式会社新潮社 2014年9月発行・より
4月10日 靖国神社(東京・千代田区)にて撮影
左の小さな建物は、鯉を見るための亭なんでしょうか、
餌の自動販売機があって、皆さん、鯉に餌をやっていました。
写真には写っていないですが、左側にはベンチが並んでいて、
人々が、のんびりと池を眺めていました。