参考資料47 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「ジーン・ディクソン(1918~)は、アメリカのウィスコンシン州に生まれた。ディクソンは、水晶球や星占い・霊感・透視・テレパシーなど、さまざまな手法による予言を行なう。未来を予知するといわれる彼女は、とくに政治・経済関係の予言が強いようで、二十六歳のときに、当時のアメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルトに招かれて、大統領の運命や、将来の米ソ関係、中国の共産化などを予言し、見事に的中させたという。またトルーマン大統領の就任を的中させたり、ケネディ大統領の暗殺を予知したことが知られている。だが彼女は、自分が夢や幻視で見たことに関して、どれほど理解しているといえるのだろうか。最近、彼女が世間で騒がれなくなったのは、寄る年波によるものだろうか?それとも、予言が目立ってはずれているからだろうか。少なくとも、近年の彼女の予言の多くがはずれているようにも思える。一例をあげてみよう。
「太陽に向けて核廃棄物を積んだロケットを打ち上げることになり、原子力発電に伴う難点の一つが解消されるだろう」(ジーン・ディクソン)
この予言は、1970年代末期になされた予言である。この予言が実現する明確な時代の指定はないが、おそらく80年代後半のテクノロジーの発達を示唆してのことと思われる。いまもってこのような事実は、ひとつもないばかりか、一部の国を除けば、世界は核施設の廃絶に向けて前進している。この予言は明らかにはずれている。さらにここで問題となるのは、この予言にみられるディクソンの思考回路である。かりに夢やヴィジョンで見たイメージだとしても、「核廃棄物を太陽に捨てることで、原子力発電に付随する問題を解決する」という発想は、どう考えてもいただけない。宇宙にゴミを捨てるという考えは、ひと昔前のテクノロジーによるユートピアを夢想していた物質主義、唯物論に凝り固まった科学者と変わらない幼稚な発想だ。根本的な問題を何も解決しないで、技術革新だけを過信しているのである。そして、技術革新による偏った文明への警鐘を鳴らすのが、本来の予言の役割ではなかったのか?新しい精神の風を巻き起こすことに予言の価値があるとすれば、ディクソンの予言は、あまりにも表層的な時流の流れに合わせた予知にすぎなかったといえよう。ノストラダムスは、息子セザールへ当てた手紙で次のように語っている。
「神の全能は予言者の理解度に応じて、未来の秘密を印象によって表わされる」
ジーン・ディクソンをはじめとして、この「理解度」を十分にもっているといえる予言者が、いったいどれほどいるというのだろうか?私にはかなり疑わしく思える。だが、ディクソンもこのことはある程度、自覚していたようで、本人自身が次のように語っている。
「心霊的な予言が期待されたように実現されなくても、それは幻覚が不正確だったのではなく、そのシンボルの解釈が不正確だったためなのです」
どうやら、ジーン・ディクソンの予言は、心理学的な夢解釈のレベルに属するもののようだ。彼女もまた、クリスチャンであったにもかかわらず、この言葉を聞くと、以下の聖書の言葉を十分に吟味し、納得していたとは思えない。
「聖書の予言はすべて、自分勝手に解釈すべきでないことを、まず第一に知るべきである。なぜなら、予言は決して人間の意志から出たものではなく、人々が聖霊に感じ、神によって語ったものだからである」(「ペテロの第二の手紙」第一章・第二十節~二十一節)
私たちもまた、よく正夢を見たり、それを話題にすることがあるが、ディクソンの予知は、それと同じレベルのものだと考えたほうがいいように思えてくる。そうすると、彼女の予言がはずれるのは、警告的な意味をもつというより、彼女が自分の見た幻覚に対して、彼女自身の解釈が不適切なものだったから、ということができるのではないだろうか。」
「201X年終末大予言の秘密」高橋徹著より

感想
この本が書かれたのは1994年で「一部の国を除けば、世界は核施設の廃絶に向けて前進している」という文章にはいささか疑問を感じる(核兵器は廃絶に向けていたが原発は違うんじゃないか)が、現在はそうなっているのでこの予言が外れている事は確か。
また、常々思っている事だが、個人的な超能力や透視で予知・予言をする人は当たる場合もあるが外れる場合が多過ぎる。そもそも450年も前のノストラダムスが現代を見ても理解出来たとは到底思えない。当たっているとしたらシンクロニシティーだろう。(神の計画か。)
「しかしそのような予言は、永遠不変の至高の支配力を点々と輝かせる聖霊の口から生じました。天上と共に補助された(支配力)。その多数の中のある人達が偉大で驚嘆すべき変わった出来事を予言しました。その場所での私、私は私には何の称号も全くあるとは思いません。とんでもない、私は全ては神から来るという事をきちんと告白します。そして(私は)彼に神の恩恵、名誉、そして不滅の功績を返します。」(「アンリ二世への手紙」の一部)
また、武田崇元氏によると、
「一般の霊媒的特質だけもった人びとの場合、かりにその霊媒が狐狸や人霊のような低いレベルの「霊界」ではなく、高次元の霊界=神示の一端と回路が開けたとしても、そこから発せられる、強烈で錯綜したシグナルの受信を、自分で制御することがまずできない。つまり、正確に解読できないため、支離滅裂なことを口走ったり、あやまった予言や、現実界にマイナスに反映してしまうような霊的なイメージをうえつけるといった表現をとる結果となるのである。だから、もともと高次の霊界との交感性は、いま述べたように、ある選別された特定の人間によってしか確保されえないし、かりにそういう器でも、コンバート機構を自分のなかにつくれないと、霊界が神経に逆流して、発狂したりするのである」(「出口王仁三郎の霊界からの警告」武田崇元著)だそうである。

おまけ