怪しい話 その4 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「「新約聖書」外典、「トマスによるイエスの幼時物語」は、次のような書き出しではじまっている。
「私イスラエル人トマスは、異邦のすべての兄弟に、私たちの主イエス・キリストの幼時のころのこと、またその大いなる業、イエスが私達の国に生まれて行ったすべてのことを語らなくてはならないと思います」(1)
・・・・アンナスの息子がやったことを見て、イエス少年は腹を立てた。すると、たちまちアンナスの息子は全身が枯れてしまった。危険なものに変わったイエス少年の超能力は、止まることを知らない。走ってきた少年の体がちょっと肩に触れたからといって怒り、「お前はもう道を歩けない」と叫んで殺してしまうのである。こうなると、周囲の人たちは、ただただイエス少年を恐れるばかりである。もちろん父ヨセフはイエス少年を厳しく叱責した。耳を引っぱって懲らしめもした。イエス少年はそうした父を冷たい目で見返して、居直るようにこう言うのだった。
「あなたはほんとうに賢からぬ振る舞いをしました。私があなたのものだということが解らないのですか。私を悲しませないでください」(5の3)
こうなると、もう父ヨセフの手にはおえない。どうするべきか。父ヨセフは困惑した。ヨセフのそんな姿を見かねて、ザッカイという教師が彼に声をかけた。
「さあ、お子さんを私のところに字を習わせにお寄越しなさい。そうすれば、お子さんに字と一緒にあらゆる知識を授け、目上の人みんなに挨拶し、彼らを先祖や父のように敬い、また同年の仲間を愛することを教えましょう」(6の2)
父ヨセフは、渡りに舟とばかりにイエス少年をザッカイにあずけた。しかし、イエス少年は字を教えようとするザッカイにくってかかった。
「あなたはアルファの本性も知らないくせに、どうして他の者にベータを教えるのです。偽善者よ、先ず知っているものなら、アルファを教えなさい。そうしたらベータについてもあなたを信用しましょう」(6の3)
もちろんザッカイはイエス少年の質問に答えられず、頭を抱え込んだ。それを見て、イエス少年は冷たく言い放った。
「私は上から来たもの、それはお前たちのために私を遣わした方が私に命ずる通りに、人を呪っては天へと呼ぶためなのだ」(8の1)
イエス少年が語り終えると、彼の呪いで倒れた人たちがみな癒され、甦った。・・・・以上が、五歳から十二歳にかけてイエスが見せた超能力の一部である。福音書でのイエスの奇跡あるいは超能力は、人助けのためになされるという性格が強い。しかし外典では、イエス少年はお気に召さない人物をあっさり呪い殺してしまう(あとで生き返らせたり治したりはしているが)。悪魔的とも言えるイエスの少年像である。だが、年をとるにしたがって福音書に見られるイエスの姿を髣髴させる奇跡たんがつづいている。」                              「確かこの本からの抜粋

おまけ