崩壊  始まり | きちがいピエロ  

きちがいピエロ  

あたしは未婚子持ち女 (▼皿▼#)



そんなあたしの忘れられないこれまでの出来事を、



いつか振り返ってみる日のために記録として綴っておこう・・・。

 拒否されながも毎日面会に行った。



ある日とうとう根負けしてか、

私を`内縁の妻‘として面会者登録リストに加えてくれた。




面会は月1回、

後は手紙のやり取り。

それだけでもうれしかった。

少なくとも月1度は会える。





おっさんしか見えてなかった私は決心した。

「ずっとおっさんの帰りを待っておこう。



店をおっさんの帰る場所として

どんなことがあっても続けていこう。







しかし、現実は甘くなかった。

おっさんのいない日々、

客の接待、

女の子たちとの関係、

多額の経費・・・。



私はますます薬物に頼るようになった。



まったく、今おもうと

よくあんな状態で仕事ができたもんだ。








どうにかこうにか1周年を迎えるころ、

女の子たちが一気に全員やめてしまった。



少しずつ積もっていった

私に対する不満が爆発したのだろう。

日々精神状態が不安定だった私は

ことあるごとに女の子たちに当り散らしていた。

厳しい規則、厳しいノルマを与え、

給料にも差をつけた。

女の子同士売り上げを競わせていた。



お客の呼べない子に対しては、

ひどい言葉でなじったりもた。



彼女たちはみんな以前は私の友達だった。

それなのに・・・。



店主としてみんなとの関係を

より良いものにすることや、

個人個人ががんばる意欲の出るような

働きやすい店にすることなどはまったく考えなかった。


それどころか

相変わらずわたしの頭の中はおっさんのことでいっぱいだった。




店主としての資質に疑問を持った彼女たちはこう言った。


「あんたひどいよ。

私たちはがんばってきた。

でももうあんたにはついていけない。」


内心ショックだった。

なのに・・・。


「ああそうかよ。ならばやめてしまえ。



自分が悪いとわかっていた。

人を使っていける資質のなさ、

女の子たちに対する配慮のなさ。



もっと大事にするべきだった。


わかっていたのに、

改め努力していくということがいえなかった。





ひとりの店になってしまった。

ラウンジなのに女の子の居ない店。

もちろんなじみのお客からも反省すべき点は私にある、

ということを指摘されていた。

それでも強がっていた。




「あんな女の子たちはいらん。

すぐに新しい子いれるから気にしてない。」



内心はみんなに戻ってきて欲しいと思っていたのに、

そう言えなかった。




子供じみた虚勢を張って、

気がつけば一人ぼっちになっていた。