「そこに仲間がいるから」
愉しさの原点はまさにここにある。
6月3日のオマーン戦は、さながらサポーターのオールスター状態だった。日頃は、ひいきのクラブを応援しているサポーターも、この代表戦の為に全国から一堂に集う。また、海外リーグ好きのファンも欧州組目当てに集結する。
あの日は一体、何人の仲間に会ったのだろう?「もしかして、たかちゃんですか?」なんて芸能人でもないのに声がかかる。日頃、ツイッターで交流している方々とのリアルな出会いにびっくりする。挨拶しきれない程の面々。ここにも、あそこにも。
海外観戦のツワモノたちがゾロゾロ勢ぞろい。数々の歴戦を経験してきた勇者たちの誇らしげな顔があちこちにある。壮観な風景だ。特に言葉を交わさなくても、そこにいるだけで頼もしい。
フランスW杯、ドイツW杯、南アフリカW杯、アジアカップ、世界一蹴、ブンデスリーガ、南米リーグなどの観戦経験者のオンパレード。「今度はどこへ行くの?」が挨拶がわり。まるで天気の話をするかのようにユーロ観戦の話題も出てくる。どんだけですか!
こんな、そうそうたるメンツの中に自分も入れてもらっていることが誇らしい。
僕は、今まで「ひとり弾丸」だけに、ピンサポなことが多かった。海外では、ひとり街の様子を嗅ぎ回ったり、国内では指定にフラフラ、ゴール裏にフラフラ。
サポーター歴を重ねるにつれ、どんどん数珠つなぎに仲間が増えていく。この喜びったらない。不思議と何処かで繋がっていたり。国内外のスタジアムで偶然会ったりもする。「サッカーファミリー」の世界は広いようで、意外と狭い。昨年11月、平壌空港で、あの「ジョホールバルの歓喜」のスタジアムで隣の席だった方に、14年ぶりにお会いした時には腰が抜けそうだった。
「仲間は素晴らしい」なんて、くさいセリフは言うつもりはないが、固まって応援してるだけで心強い。得点した瞬間は、周りの仲間とハイタッチ。喜びを共有することで何倍にもなって跳ね返ってくる。
試合も楽しみ、応援も全力だが、仲間たちとのとりとめのない些細な会話が何物にも変え難い。「仲間に会えるから」。サッカーを生観戦する究極の愉しみ方はここにあるのかもしれない。
Jリーグの試合にせっせと毎週通うファンも、愉しみにしているのは仲間たちとの試合後のビールだったりもする。応援しているクラブで毎週のように仲間で集うことが出来れば、どんなに週末が待ち遠しいことだろう。
さあて、また8日のヨルダン戦もゴール裏へ行こう!
PS.ツンさん、ピロポンさん、ヒロさん、その他たくさんの方々お世話さまでした!
おわり