クラリネットはなぜ壊れたのか
童謡 「クラリネット壊れちゃった」
ぼくの大好きなクラリネット
パパから貰ったクラリネット
とっても大事にしてたのに
壊れて出ない音がある
どーしよ どーしよ
オーパッキャマラードパッキャマラードパオパオパパパ
オーパッキャマラードパッキャマラードパオパオパ
この歌。
子供がパパから貰ったクラリネットを壊して
困った挙句精神崩壊して
もうパオパオするしかなくなってるっていう歌だと解釈していた。
クラリネット
調べたところ
中学生の吹奏楽部が購入するクラスの
YAMAHAYCL-650でも16万~17万…
そんな高ぇモン何で大事にしねーんだよ。
しーらね、しーらね。
しかも
2番の歌詞によるところ
ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない
との事。
おい、全部じゃねーかよ。
お前さぁ、
何やっちゃったの?
何やって壊れちゃったの?
それが知りたい。
クラリネット全貌

壊すとしたら
抑えるところの仕組みをやっちゃったってのが一番想像が付きやすい。
さてはお前ぇ
好奇心に負けて分解したな?
解る、解るよ。
私も好奇心に任せてミニテトリス分解して
戻せなくなったりしたもん。
ましてや君は男の子。
分解したくなっても仕方ないと思う。
でも
クラリネットはミニテトリスと違う
精密ドライバーで子供が簡単に分解できるものだろうか…
するってぇとアレか?
落としたか?
それも家の中で手に持ってて落としたくらいじゃ
全部の音がでない程壊れはしないだろうから
わかった。
自転車で派手に転んだな?
友達とマウンテンバイクでつるんで
うおぉぉぉぉーっつって坂とか攻めたんでしょ。
で、カーブでずっしゃぁなって
カゴに入れてたクラリネットが
シュルシュルシュルって滑り出て
そこへ運悪く車が来てクラリネット ボフッって吹っ飛ばして
今度はもの凄い勢いで飛ばされたクラリネット
最終的にデカい木の根元にガッシャンっつって…
友達と真っ青になりながらも
やっべーって言いながら
恐る恐るケースを開けて
うわぁ~…って
やべーよ、どうする?
ちょっと吹いて見ろよ。
スカァー(ド)…
スカァー(レ)…
しらね、俺帰ろっ!
俺もっ!
え、みんな待ってよ。(涙目)
再度チャレンジ
スカァー(ド)
スカァー(レ)
スカァー(ミ)
…

パオパオパ
どう?違うかね?
これで違うっていうんなら
あとはもう
ライトセーバー代わりにして遊んだか
水とんの術ごっこして水に浸けたか
ジミヘンばりに床に叩きつけたか
クラリネット派手に壊すのって案外大変だもの。
いずれにしても
とても大事にしてたとは思えないわね。
自業自得。
あんたが悪い。
パパに謝んな。
パパもそのボロボロのクラリネット見て
アゴが外れるくらいショック受けると思うけど
同時に反省すると思うよ。
アンタに与えるのはまだ早かったって。
まだサッカーボールでも与えてりゃよかったのよ。
パパも憧れだったと思うけどね。
息子に自分の宝物を託すのはね。
男のロマンってやつよね。
わかるよ。
わかるけど
早かったんじゃないの?
中学生くらいまで待てば良かったんじゃない?
パパさ、ママに相談するべきだったね。
ママだったら息子のやんちゃ具合は一番知ってるから
絶対に止めてくれたと思うよ。
あの子にクラリネット?笑わせないでよって。
で、ここまで書いておいてなんなんだけど
驚きの事実が発覚
なんと
クラリネットは壊れていなかったらしい。
あんだけパオパオ大騒ぎしておいて
壊れてなかったんだと。
真実はこう。
パパがクラリネットをくれました。
そん時に
「大事なものだ」っていう思い入れをたっぷり語って
ちょっと演奏してあげたりもしたんだろうね。
そんで
「お前もこれから練習すんだぞ」っつって
思い描いた通りに息子に託して自己陶酔でしょうよ。
で、目をキラキラさせて受け取った息子
早速自分で練習しようと
ケース開けましたぁ
吹きましたぁ
鳴りませんと。
管楽器はさ、吹きゃ鳴るってモンじゃないんだよ。
私も中学の吹奏楽部の部活見学で知ったけどね。
リコーダーと違うんですよ。
で、
それを知らないボクは顔を真っ青にしてこう思ったわけです。
「クラリネット壊れちゃった」と。
まぁどっちにしろさ
与えるのが早すぎだバカ親父。
クラリネットは壊れていなかった
吹くのが下手なので音が出ない。
この真実を解き明かす鍵となるのが
謎の「オーパッキャマラードパッキャマラード」の部分。
これは途方にくれた小僧の魂の叫びではなくて
フランス語だそうで
直訳するとまた相当意味が解らなくなるんですが
どうやらフランスの兵隊さんの行進の時の掛け声らしくて
「リズムに合わせてだ」と意訳されるんですって。
つまり
パッキャマラード云々は父の台詞ね。
突如見えてきたねぇ
ボクの隣に親父の存在見えてきたよ。
いたのね隣に。
するってぇとこうなるわ。
スカァー(ド)
スカァー(レ)
…
ボク「父ちゃん、全然音が出ないよぉ、もうやだ。
きっとクラリネットが壊れちゃってるんだよぉ。」
ボク も もはやただの甘ったれだねぇ。
音が出ないのを壊れたせいにしちゃって。
そして
それに対して親父隣から

父「リズムを取るのさ!リズムを!
いいか!感じるんだリズムを!!」
なんて
熱く面倒くさい親父。
なんてこった
童謡「クラリネット壊れちゃった」をちょっと掘り下げたら
無駄に熱い父と、根性無しの息子の姿が見えたよ。
いるよね、こういう父子。
息子は割と甘えんぼで大人しいタイプなのに
父の方が息子とやりたい事の夢に満ち溢れちゃってる感じの。
キャッチボールだのキャンプだの釣りだの連れまわすタイプの。
結局息子はさ

パオパオパね。