【第693回】 23歳の夏 | HITOMIのブログ

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母のお店で働いてくれているあきちゃんの誕生日。
カシスのケーキ。
23歳になったんだって。
23歳。
自分のことを思い出してみた。





23歳の今頃、わたしはカナダから日本へ里帰りしていていた。
母のお店の手伝いをしながら友人に会ったりするような
夏休みを過ごしていた。
ちょうど今ぐらいの時期だけど、カナダにいた当時のボーイフレンドの様子が
おかしくなった。いつもと変わらずメールの返事も早いし、マメ。
電話でも話す。でも何かがおかしくて、今思うと女の勘ってやつだと
思うんだけど、ふと”あなた好きな子いるでしょ?”という
言葉が出てきた。自分でも驚いたけど。
そうすると彼は”チョットね”と言った。
イエスかノーかしかない答えでちょっとねと言うのはとても彼らしいと
思った。
彼にどうしたいか聞くと”ちょっと考えたい”とのことだった。
今ぐらいの図々しさと勝気さがあれば
”そんなあなたは要らないわ!”とすぐに言えたのだろうけど、
当時はどうなるかと待ってばかりだった。
だけど待っても何も変わらないと思った。
もう十分だと思った。
本当のわたしを奪い返すチャンスだと思った。
わたしかその新しい女の子かいずれを選ぶにしても空港に迎えに来ると
言った彼に
”その子を選ぶなら来ないで欲しい”とだけ言った。
帰りのフライトはそれはそれは苦しいものだった。
いつもはカナダに戻るのが楽しみで楽しみで仕方なかった。
どんな曜日でもどんな時間でも彼が迎えに来てくれた。
その彼が来ないかもしれない。
そう思うだけで胸が苦しくて涙は出てくるし、吐き気はするし、
何なんだろうね、あの痛みって。
味わいたくても今は味わえない。




結局彼は来なかった。
迎えに来たのはそんなわたしに同情した3人の友人だった。
それから毎日のように遊んでくれてうれしかった。
でもやっぱり心のどこかで彼との時間が恋しかった。
バカだなあ、そんなんじゃダメだぜよ!と言い聞かす自分との
闘い。




もうこの街にいたくないし、これはいい機会だと思って
隣の国に引っ越してしまおうかとも考えたけど、
残ることにした。いつか会ってしまうかもしれない同じ街に。
結局偶然に会うことはなかった。
2回ほどやり直したいというメールが着たけれど
彼がしたこと、他にも色々なことを告白され、どうしても許せなかった。
何よりも本当にやり直したいなら自分の足で歩いて自分の言葉を口に出すべきだと思った。
それをしないのなら本当にわたしのことを欲しいとは思ってないんだと感じた。
来てくれないで良かったと思う。
来ていたらきっと許してしまった気がするから。




そんな彼だけど未だに連絡はとっていて日本に来る時はほぼ必ず
連絡をくれる。
さすがに2人で会うのは気まずいので友達と一緒だったりするけれど。
お互い19歳とか20歳で出会ったから、もう随分大人になった。
その時の記憶を辿ってみて今ふと何がいいと思ったかを思い出した。
家まで車で送ってくれる時にドアが閉まるまで必ず見ていてくれるということ。
”何でずっと見ているの?”と聞くと”家に入るまで心配だから”との答え。
あとは、どんな人と会う時でも必ずわたしを一緒に連れて行ってくれるということ。”どうしていつも一緒なの?”と聞くと”好きな人とずっと一緒にいたいと思うのは当たり前のことでしょ?
と言われた。
そういうのにうっとりしていたんですよ。
もう、うっとりもうっとり。べったりうっとりですね(笑)





フラれたのは辛かったけれど、今となっては本当に良かったと思っている。
彼と一緒にいると好きだから何でも言う事を聞いていたし(今だったら信じられないね!!)、
優先していたし、何より自分をすごく抑えていた。
自分のことも好きでいて欲しいから。好みの女でありたいと思ったから。
尽くすのはいいことだと思う。女は好きな人には尽くす生き物だと思うから。
だけど自分を出せないのは本当に問題だと思った。
それを別れてから分かることが出来たからやっぱり良かった。
あと、わたしフラれると落ち込んだ後にすっごくパワーが沸くんです。
絶対に後悔させるようないい女になってやろう!って(笑)
だから色々挑戦できるし、何でもやってみせる!!っていう気持ちに
なります。だからフラれることも必要。あははは!





苦しかったり悲しかったりしても恋愛を続けるって面白いなあと思う。
まあその分、ものすごい幸福感があるからね。
もう恋愛なんてコリゴリ!って言っている人が
またドキドキしているのを見ると思わずニッコリしてしまいます。
みなさん恋していますか。