いつも立ち寄るスーパーで

遠い地の物産フェアをやっていた。

 

そこで見つけたのは

ほろ苦いカラメルを使用したと書かれているプリン。

プリンに目がないものだから、ちょっとお高めではあったけれど

迷わず買ってみた。

 

今日のおやつにいただいてみた。

 

うん。

プリン部分は甘さもかなり控えめ。

グラスの底に沈んだカラメルに到達すると・・・

 

にがにが。

自分の家で作るカラメルは、砂糖の焦げた苦みの中に甘さがあるのだけれど。

このプリンのカラメルは、砂糖が焦げ切った渋みを含んだ苦みだけだった。

 

これが世にいう大人の苦みなら、もういいかな。

プリンを食べきり、口の中に残る渋みと苦みを流すべく、

お茶を飲んでみた。

それでも口の中に残り続ける、渋み、苦み。

 

初めて買う物って、むつかしいな。

売り場のポップに書かれた説明だけでは計り知れないのだね。

 

ある日小鳥は自分のねぐらに、何やら突っ込まれたことに驚いた。

蒼い羽と、冴え冴えとした黄色のくちばしを持つ小鳥。

その小鳥のねぐらに突っ込まれたものは、

腹をすかせたオオカミの鼻づらだった。

くすんだ色の毛皮をまとうオオカミは、美しい色をその身にまとう小鳥がうらやましかった。

いつか、いつかいつか食ってやる。

ずっとそう思っていた。

木の幹にあいた穴をねぐらとしている小鳥。

その穴に自分の鼻づらを突っ込んでしまえば、小鳥は逃げられない。

そうほくそ笑んだオオカミだった。

でも小鳥だって黙ってはいなかった。

おとなしく食われてなるものか。

オオカミの鼻づらをくちばしで一生懸命つつきまわす。

『あいたたた、、、』

簡単に食われてくれない小鳥に、オオカミは無い知恵を絞った。

穴に鼻づらを突っ込んだまま、少し口を開けてみた。

 

「仲良くしようじゃないか。いじわるはしないよ?」

「外は嵐だ。小さな君は簡単に飛ばされてしまう。」

「ほら、僕の口に入ってごらんよ。」

「僕が守ってあげるから。」

心の中では『早くおとなしく食われてしまえ。』

そう思いながら、猫なで声でささやくオオカミ。

 

「だまされるもんか!」

「私を一口で食べるつもりだろ?」

 

賢い小鳥は、ねぐらの外でほかの動物たちが騒いでいる音を聞いていた。

 

「痛い痛い!」

後ろから頭のてっぺんをつつき抜かれ、オオカミは地面へと転がり落ちた。

ねぐらの穴からオオカミの鼻づらが消えた途端、小鳥は外へ飛び立った。

悪さをするオオカミの頭をつついたのは大きな鷲。

「こっちこっち!」

逃げ出した小鳥を、オオカミが近寄れない湖の真ん中の島、

その島の木立に誘う他の鳥たち。

「ちくしょう!俺は強いんだからな!!」

「今回は負けたことにしておいてやる」

つつきまわされ、禿げた頭のてっぺんを隠しながら、

オオカミは自分の巣穴に逃げ帰った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ロシアがウクライナに攻め込んだというニュースに、

行く先のしれぬ不安が付きまとうようになった。

入ってくる情報のどこまでが正しくて、どこからが嘘交じりなのかわからない。

いろんなことをつらつらと考えていた時、

人道回路として、ウクライナの人々をロシアへ避難させる道を確保したとかなんとか、

そんなニュースを見た。でも、誰もロシアへ逃げ込まなかったとか、、、

自分で攻め込んで暴力をふるっておきながら、どこまで相手をバカにするのかと思う。

自分を殴ってくる相手が「こっちへおいで」と言っても、信用できるわけがない。

他人の気持ちを察することができないから、自分の利益しか考えられないのかな。

そう考えていたら、口を開けて「こっちへおいで」と猫なで声を出すオオカミと、

必死に抵抗する小鳥の図が思い浮かんだ。

絵心はないので、稚拙な文章で書いてみた。

 

戦争がくだらなく、破壊と禍根しか後に残さないものであることを理解できない人間。

そんな人間を自分たちを導く政治的トップへ選択した人民。

どうかしてるよ。

 

早く、早くこの恐ろしい一方的な暴力を終わらせるためにはどうしたらいいのか。

今の自分にできることはなんなのだろうか。