今回は、久々のシェイクスピア劇です。
それから、珍しく隅田川を渡っての観劇です。
シェイクスピア劇と言えば、私は、
・蜷川幸雄氏演出の『NINAGAWA十二夜』
・串田和美氏演出の『十二夜』
を観て以来ですし、隅田川を渡って、墨東(ぼくとう)地区(永井
荷風的表現ですが…)まで足を運んだのは、もういつ以来なの
か覚えていないくらい、久々のことでした。
劇場は両国駅からもそう遠くない「シアターX(カイ)」で、
新しい劇場らしく、清潔でとても快適な施設…という印象を
受けました。
ところで、お若い読者の皆様は、大竹一重(おおたけひとえ)
さんという女優さんを、ご存知でしょうか?
往年のVシネ(Vシネマ)を席巻した超ステキな女優さんで、
最近では、テレビドラマや舞台でもご活躍です。
特に舞台では、例えば劇団レッド・フェイス等の小劇場の舞台
にもご出演なさっていて、単なる美人女優の枠を越えてなかなか
のコメディエンヌぶりを発揮するなど、舞台女優としての幅の広さ
も、観客を大いに惹きつけている要因かと考えます。
で、今回は、「大竹一重さんのシェイクスピア劇初挑戦!」という
ことで、3月31日に観に行って来ました。
だって私は、長年(もう20年弱…)の大竹ファンですからね(*^_^*)
■ シェイクスピア劇ですから…
何と言ってもシェイクスピア劇ですから、登場人物も多いですし、
しかもこのお芝居は、アテネを舞台とした「恋愛コメディ」故、登場
人物の固有名詞も耳慣れないことが予想されたため、今回私は、
「子ども向きシェイクスピア劇解説本」で事前に予習をしていきま
した(下の画像をご参照ください)。
でも、逆に言えば、越えるべきハードルはそれだけでして、アテネ
郊外の森の妖精等も登場させた、この恋愛ドタバタコメディを、
十分に堪能できました。
最後のハッピーエンドも、お定まりの大団円とはいえ、清々しい
気持ちで劇場を後にすることができるお芝居でした(^_^)v
■ シェイクスピア劇に色々な工夫が…
[シェイクスピア=小田島雄志氏の名訳]
という図式は有名ですが、さすがに、登場人物の全てのセリフが、
格調高く、リズム良く(おそらく原文では韻を踏んだりしているので
は…)、語彙が豊富で、総じて観客は、シェイクスピアの紡ぎ出
す言葉の豊穣な海に漂う快感に、どっぷりと浸れます。
でも、それだけでは、英文科の学生向けのお芝居になってしまい
ますから、演出家(パク・バンイル氏)は様々な工夫を用意してく
れていました。
まず、妖精役にキュートな子役(女の子が多い…)をつけ、彼女
たちが甲斐甲斐しく客入れ時の座席誘導をしてくれました。
これだけでも、シェイクスピア劇の「堅苦しさ」を、観劇前にだいぶ
緩和してくれました。
それから、小田島訳をある程度忠実になぞるセリフを役者に喋ら
せながら、ちょっとギャグっぽいセリフを挿入するなど、やはり、
小劇場演劇のスパイスをほんの少し垂らして、お客の笑いを誘っ
てました。
←具体的には、「♪♪ 人形の きゅ~げつ(久月) ♪♪」等の
パロディギャグも散りばめられていましたよ(^o^)
また、余談ですが、夜の公演は、
17:00開演
18:45終演
という、薄暮公演(笑)なんですよね。
「どうしてこんな時間帯なのかな~」と、つらつら考えてみたら、
妖精に扮した子役の皆さんが20時以降の舞台を務められない…
という、労働法規上の制約を考慮した時間帯設定なんでしょうね(^_^)
ということで、すみません、今回は、お芝居の「周辺領域」に関する
記述が多いですが、例えば、客層も、やはり下北沢辺りの劇場
とはだいぶ違っていましたよ。
まず、例の妖精の子役の祖父、祖母と思しき方が、座席を埋め
ていました。
それから、どちらかというと、浅草演芸ホールに多くいそうな感じ
のオジサンも、結構客席に座ってました。
「ストーリーがイマイチわかんなくて途中眠っちゃったけど、
♪♪ 人形の きゅ~げつ(久月) ♪♪ のトコだけは笑ったな…」。
私の隣の隣りに座ったオジサンの(横の友人に話した)終演後の
コメントを忠実に文字にしてみましたが、変にスノッブなお客ばっか
りのお芝居よりも、ず~~っといい雰囲気の舞台だったように、
私は感じました。
いわば、墨東(ぼくとう)地区らしい客層の「空気」に配慮し、その
「空気」になじんだシェイクスピア劇でしたo(〃^▽^〃)o
■ もちろん、大竹さんのことを書かなければv(^-^)v…
では、ご本人のご了解を得ましたので、大竹一重(おおたけひとえ)
さんの画像を、以下に掲載します。
なぜウエディングドレス姿かというと、アテネの公爵を始め、計3組
のカップルが結婚する…というハッピーエンドで大団円となるから
ですо(ж>▽<)y ☆
大竹さんの美貌と気品の高さを、読者の皆様にも、この画像で感
じ取っていただければ、嬉しいです。
大竹さん、「言葉の海」と格闘したシェイクスピア劇、本当にお疲れ
様でした!
■ 最後に、下町らしいおまけ画像をひとつ…
ちょっと今回は画像が多すぎますかね(苦笑)。
私にとって、久々の墨東(ぼくとう)地区探訪だったので、ついつい
小旅行気分になってしまったものですから(^_-)
両国駅近くの中華料理店「青葉」さんのタンメンです。
3月31日は、終日の雨で寒い日でした。
心と身体の両方を温めてくれたタンメンが、大変美味しゅうござい
ました(⌒¬⌒*)
☆機会があったらまた、下町での観劇を楽しみたいと思います☆