★1954(昭和29)年の傑作映画「ゴジラ」(第1作)。
「バカ者!何を言うとるか!事実は堂々と発表しろ!」------- これは、この映画での女性議員の発言の名場面(^^。62年前のモノクロ作品。これ、私より2歳年下の安倍晋三が生まれた年の作品なんですよね。今の日本社会は、この映画が日本人に托した大切なもの ------- (反核とか反戦とか、平和の大切さ以前の問題で)倫理とか道義とか、誠実さとか、日本語の言葉の美しさとか、そういった人間にとって一番重要な基本的なものを、片っ端から失っているような気がします。日本を破壊しているのは、本当はゴジラなどではない。日本を破壊しているのは、安倍晋三のような政治家を支持する、今の日本人自身なのだということに気付かされます。
この第1作は何度も観ていますが、本当にいい映画だと思います。当時の娯楽作品としても第一級で、反核や反戦というメッセージが明確であることは勿論ですが、注意深く見ていくと、随所に珠玉のような台詞や仕掛けが満載。(放送局の名前がGHQじゃなくてGHKというのがちょっと笑えます。)現在も続くアメリカへの従属体制のままとはいえ、日本が敗戦から立ち上がり、議会(政治)や新聞マスコミがとてもまともだった時代、女性も元気に活躍し始めた時代、良い時代だった日本といったものを強く感じます。平和を思う、当時の日本人や映画人の気概がにじみ出ている一大傑作と言えます。数年前にアメリカの大学生グループが、初めてこの第1作をアメリカで観て、口々に「大変感動しました」と言っていたことを思い出します。