1789(その五)~前楽 センター12列目  東京宝塚劇場  | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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①ちーずちゃん ②はばまいちゃん ③たけちゃん ④こっちゃん ⑤キキちゃん
①20世紀号 ②1789 ③ファントム ④王家に捧ぐ歌
①とうこさん ②あさこさん
①あすかさん ②おはなさま 

公演名・観劇日時   1789   平成27年7月26日 11:00  東京宝塚劇場

ほぼセンター。滅多にこんないい席はとれません。やっぱりセンターはいいですね。センター席からの視点で、色々作り込まれているのがわかります。

● ストーリー  ☆☆☆
そもそも、元々の作品は、まずヒットしそうな楽曲を集めて、それからミュージカルに仕立てたものらしいですね。小池先生が、宝塚に合わせて、芝居を膨らましたとのことでした。特に破綻なく、まとまっていた気がしますけど、当然突っ込みどころはありますね。
何と言っても、皆様ご指摘の通り、ロナンのスーパーマンぶりですね。土地を取り上げられ、食い詰めてパリにやってきた(要するに)浮浪者なのに、いつの間にか、革命の指導者たちと肩を並べ? いつの間に、印刷所でもリーダー的存在? いつの間にか、戦えるパリ市民を集めてこれるようなパリ市民のリーダーの一人に? といった感じ。
極めつけは「剣の達人?」と対等に渡り合う武芸まで身に着けている?(実際の立ち回りをみると、ベンチに横になるとなかなか起き上がれなかったりで(しばらくフェルゼン君は手持無沙汰にしていました)、すぐにやられてしまいそうでしたけど。そういえば、ロナンは教会で秘密警察もやっつけていましたね)
しかし、フェルゼン君、軍人が、丸腰のホームレスに決闘を申し込むというのは、ちょっといただけません。たまたま、木の枝があったからよかったようなものの。しかも楽勝と思いきや全然だし...(このあたりが一番不自然に感じました)。
次は、アントワネットの豹変ぶり。最初は「全てを賭けるの。退屈を紛らわすために...」で登場して、その後、フェルゼンとの不倫関係のために、周囲に散々迷惑をかけておいて、最後は「一番大切なことは、本当に自分を愛するべき相手を見極めること」とオランプに説教。私が、オランプなら「あんたにだけは言われたくないわ」と思ってしまうところですが...。きっとオランプは、「清らかな」だけでなく、気持ちの切り替えが早いのでしょう(ただし、実際に観ていると、ちゃぴの素晴らしい演技/歌唱で、普通に感動してしまっていたりするのですが)。子供が亡くなったショックで覚醒したというのは分からないではないのですが(確かに人生における最悪の出来事の一つ)...、きっと一幕最初のおバカすぎる姿は世を欺く仮の姿で、本当は聡明な方なのでしょう? (クリスチャンではないせいか、母親への天罰として子供が死ぬという考え方になじめないんですよね。それでは、子供の方があまりにも可哀想と思ってしまう)

● 音楽  ☆☆☆☆☆
音楽については、私ごときが、とやかく言うところはありません。多くの名曲に彩られており、それがこの作品の最大の魅力となっています。
今回、3回連続観劇といった「愚かな選択」をしているわけですが、何度聞いても、2幕の「サイ・ラ・モナムール」に始まり~「肌に刻み込まれたもの」~(ロナンの死)~「悲しみの報いとして」のフィナーレに至る一連の流れ、ここで大感動して、また観たくなり、千秋楽は「もう観れないのか」と凄く悲しくなりました。私にとっての、この作品の中での最高の観どころ、聞きどころでした。しかも、この最後の部分まで、疲れを知らぬかのような、まさお君の素晴らしい歌唱がありました(凄すぎです)。

● 個人的萌えポイント
ホントに歌だらけのミュージカル。しかもロック調で、のどへの負担も大きそう。ソロ歌を歌う登場人物も数多いこの作品を、出来に多少ムラはあるものの、声がひっくり返るような人が一人もおらず、皆きちんと歌いこなしているのは、結構凄いことですよね。実際、相次いで観た「王家に捧ぐ歌」「帝劇エリザベート」ともに、全く歌えない(で公演をぶちこわしている)方がいました。現状の宝塚の他組ではこれほどの公演とはならないでしょう。まさに「今の月組の代表作」でした。


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