染谷メンタルクリニックです。

遠隔診療(オンライン診療)初診のご案内です。

コロナ感染症対策として、遠隔診療(オンライン診療)がやっと初診からも行えるようになりました。ただし、初診の方の遠隔診療では、安定剤、抗うつ剤などの精神病薬が一切処方できません。本当にひどい話で、これぞ日本の医療行政のお粗末さなのですが、現状はそのようなルールになっています。通常の対面診療の補助、受診勧奨程度ですが、コロナウイルス感染予防にはこれ以上のものはありません。時間は15分程度です。

料金は、処方のあるなしや保険割合によって変わります。

初診料等保険適用にて 約210~1,000円(負担割合や時間帯で異なります)、遠隔診療料 3,300円(通信設備等諸経費)がかかります。

 

遠隔診療(オンライン診療)初診における<利点>

① PC、スマホがあれば日本全国どこからでも、精神科医による専門的な診察が受けられる。

② 通院などの感染リスクがない。

③ セキュリティーに優れた専用ソフトを利用するため、個人情報が 守られ、利用が容易である。

遠隔診療(オンライン診療)初診における<欠点>

① 精神病薬が一切処方できない。(漢方のみ可)

② 心理検査や採血・心電図などの身体検査ができないため、確定診断ができないことが多く、身体疾患の除外診断ができない。

③ 遠隔診療料 3,300円(通信設備等諸経費)が別途かかる。

 

申し込み方法 

① 今週のオンライン初診枠(初診時間)の空きを

Twitter https://twitter.com/someyamental でご確認ください。

② ご希望に合う日時があれば、

               こちら

から必要事項をお書きになって、お申し込みください。

(いただいた個人情報は厳守させていただきます。ご安心ください。)

③ ご希望の時間に空きがあれば、当院よりメールにてシステムの利用方法など詳細をご連絡させていただきます。

 

 

再診の方の遠隔診療(オンライン診療)は今まで通りです。

受付事務まで電話にてお申し込みください。

ご不明の点があれば、03-5959-8511 受付までご連絡ください。

 

人種、出自、肌の色。病気か病気じゃないか。悩むってことは、心の病気になるってことは、心の病院にかかるってことは、そういう自分の心の奥底にある、普段隠しているけれど実は確かにある、「偏見」や「差別」を乗り越えるための、大きな大きなチャンスであると、私は思います。不幸ではなくて、天祐にできるはずだと。

汲む 

―― Y・Yに――

 

大人になるというのは
すれっからしになることだと
思い込んでいた少女の頃
立居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女のひとと会いました
そのひとは私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました


初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました


私はどきんとし
そして深く悟りました


大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇  柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……
わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです

(茨木のり子)

 

年齢を重ねても

敏感でいたいものです。

静かな覚悟が要りますね。

 

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療が当院でも可能となりました。



SASとは、

無呼吸などを原因として、

夜間の良質な睡眠が妨げられることにより、

日中過度な眠気が出現したり、作業効率が低下する、 

                                  疾患です。



新幹線の運転手が居眠りで大きくオ-バ-ランしたなどと以前報道されましたが、この疾患によるものでした。

大きな事故につながる可能性のある、「怖い」病気でもあります。

うつ病や統合失調症などの精神疾患と合併することが多く、

また、糖尿病、心臓病などを増悪させる危険因子であることも分かっています。



今まで専門医療機関に検査・治療をお願いしてきましたが、簡易検査の精度が上がってきたおかげもあって、当院でも検査・治療が可能となりました。


●眠っているとき・・・
● いびきをかく
● 息が止まる
● 呼吸が乱れる
● 息が苦しくて目が覚める
● なんども目を覚まし、トイレに行く
●日中、起きているとき・・・
● しばしば居眠りをする
● 記憶力や集中力が低下する
● 性欲がなくなる
● 性格が変化する
● 体を動かすときに息切れする


などの症状に気が付かれた場合は、お気軽にご相談ください。

検査は、

自宅でできる、痛くも痒くもない、簡単なものです。

ご安心ください!



以上、

宣伝でした(笑)。



小学校6年生の女の子の詩です。

心に響きました。

著作権の問題がなさそうなので転載します。


森琴音 「わたしの願い」


わたしは しゃべれない 歩けない

口が うまく うごかない

手も 足も 自分の思ったとおり うごいてくれない

一番 つらいのは しゃべれないこと

言いたいことは 自分の中に たくさんある

でも うまく 伝えることができない

先生や お母さんに 文字盤を 指でさしながら

ちょっとずつ 文ができあがっていく感じ

自分の 言いたかったことが やっと 言葉に なっていく

神様が 1日だけ 魔法をかけて

しゃべれるようにしてくれたら…


家族と いっぱい おしゃべりしたい

学校から帰る車をおりて お母さんに

「ただいま!」って言う

「わたし、しゃべれるよ!」って言う

お母さん びっくりして 腰を ぬかすだろうな

お父さんと お兄ちゃんに 電話して

「琴音だよ! 早く、帰ってきて♪」って言う

2人とも とんで帰ってくるかな

家族みんなが そろったら みんなで ゲームをしながら おしゃべりしたい

お母さんだけは ゲームがへたやから 負けるやろうな

「まあ、まあ、元気出して」って わたしが 言う


魔法が とける前に

家族みんなに

「おやすみ」って言う

それで じゅうぶん

むかしむかしあるところに、「よっしゃおじさん」は住んでいた。

よれよれのトレンチコ-トにハンチング帽、子供心にも妙な格好だった。

おじさん(どう見てもおじいさんだったが)は、喋らない。軽く片手を上げて「よっしゃ」と微笑むだけ。いつしかそれは近所の子供たちの流行になった。おじさんに会うのはいつも夕方。仕事帰りだったのだろう、疲れていた。なのに、見かけると笑顔で「よっしゃ」。目が澄んでいた。

悪ガキ達はしつこい。しかもするどいから、大抵の大人はぼろが出た。

でも、彼は違っていた。皆でいくら囃しても、会うと本当に嬉しそうに「よっしゃ」。悲しいとき、落ち込んでいるときは、遠くから優しい目で「よっしゃ」。何も言わないから、その優しさが余計に身に沁みた。


おじさんを見かけなくなった梅雨のある日、おじさんの家をはじめて訪ねてみた。路地の奥のさらに奥にあるじめじめしたアパートの2階。日のあたらない狭い部屋だった。近づくと引き戸が開いており、おじさんは上半身裸で背中をこちらに向けてうなだれていた。

すっかり痩せて精気のない皺だらけの背中。そこには色褪せた龍虎がいた。


僕の気配に気がつくと「来たのか」と言いながらおじさんは振りむいた。はじめて「よっしゃ」以外の言葉を聞いたのとあまりにも貧しく寂しい暮らし、それには背中の彫り物が不似合いに思えて立ちすくんだ。

おじさんは、すぐに浴衣をはおりながら「家の人は心配していないのか」と聞いた。「大丈夫」と答えるのが精一杯だった。どの位そこに居たのだろうか、何も話さないで僕は帰った。

帰りがける僕を見送るおじさんの目はうるんでいた。

それ以来、おじさんには会っていない。


年をとるたびに、おじさんの悲しみ、優しさの理由(わけ)がよくわかるまたおじさんに会いたいな。


梅雨の時期になるといつも浮かぶ大切な想い出。






日常生活の中で起こる人間関係の不安や恐怖をやわらげる手段として、食行動の異常を利用すると前項で説明しましたが、このため仕事や家庭生活ではあまり破綻を来さず、別の言い方をすれば、隠れて食行動異常を繰り返している方が多いのも事実です。

近年若い女性の間でダイエットが流行していることも引き金のひとつになっているのですが、外来を受診される方は年々確実に増加しています。


この方たちの多くは、自らの食行動異常をとても恥ずかしいこと、罪深いことと捉えており、なかなか人に相談できないでいます。そして、罪の意識の中で自分をますます責め追い込んでしまうことが多いのです。




周りで、このような症状に悩んでいる友に気が付いたらどう接すればよいのでしょう。基本的には、御本人の治療に対する意欲が何より大切になるため、体重減少が著しく進み生命予後にも影響があるという状況や仕事上著しく支障を来すという状況以外では、本人の自発的な相談を待つという姿勢で良いと思います。

御本人から相談を持ちかけられた場合は、その不安な気持ちとプライバシ-に充分な配慮をしながら、専門医に相談するように勧めて頂きたいと思います。くれぐれも「意志が弱い」「甘えている」などと責めるような言動は慎んで頂きたいと思います。



 治療は、精神療法(カウンセリング)と薬物療法が中心になります。現在、有効な薬物もいくつか開発されており、症状の改善を助けてくれることがあります。体重減少が著しく進み生命予後にも影響がある場合など入院治療が必要となることもありますが、精神療法(カウンセリング)と薬物療法が中心となる点では外来と何ら変わりありません。


更新が久しぶりになってしまいました。すみません。

何人かの方から「更新がないとさびしい」とおだてられ書いています(笑)。「ソメクリ」ブログなので、精神疾患について、HPよりも少し突っ込んで、皆さんの理解が深まるように、できれば治療にも役立つように、そんなコラムを書いていこうと思っています。


まず最初に取り上げるのは、「摂食障害」についてです。



「今日は悔しいことがあったからやけ食いをした」、「好きな人を想って食事がのどを通らない」といったことは、我々の日常生活でよく耳にしますし、実際に似たような経験をされた方も多くいらっしゃるでしょう。もちろん異常なことではありません。また、赤ちゃんがお母さんに抱かれおっぱいを吸う、授乳という行為があります。それまで泣いていた子供でも落ち着きすやすやと眠りにつきます。授乳は、子供にとって、母親の愛情を実感でき、また強い安心感を与えられる、人間の健康な成長にとってとても大切な経験です。



ものを「食べる」、「食べない」という行動(これを食行動と言いますが)に、その人の「こころの状態」が顕われやすいことは、こうしたことからもお判り頂けるでしょう。また、我々にとって食事を摂りお腹が満たされるという行為が、安心感ととても強く結びついていることも理解して頂けるものと思います。


やめようと思っていてもむちゃ食いがやめられなかったり、強迫的なまでに体重の増加を恐れ、食事を制限し、さらに自己誘発性の嘔吐を繰り返したり下剤の過量服用を繰り返す方たちがいます。大人になってから、日常生活の中で強い不安や恐怖を感じた時、それは愛されないことへの不安であったり、思うように生きれない恐怖であったり、人によって様々なのですが、その不安を少しでもやわらげる手段として、この方たちは、食行動の異常つまり「過食」や「拒食」を利用するのだろうと考えられています。この場合、本質的な問題解決の方法に食行動異常が置き換わっている、つまり代わりの行為という意味で、食行動異常を代償行為と呼んだりします。



ただ、「過食・拒食」といってもどの程度から治療が必要なのかについては精神科医の間でも意見が分かれるところです。体重減少が進み標準体重よりも15-セント以上体重が減少した場合、しかも、それだけの体重減少があるにも関わらず、体重増加や肥満に対する強い恐怖感がある場合、なんらかの治療が必要になると考えていいでしょう。


その2に続く

被災地の医療支援に行ってきました。
受け止めるには大きすぎる。

そこで起こったことも。

また宿題ができました。

今を大切に生きる事しかできない。
お互いに助け合って、

今日、この瞬間を

ともに生きましょう。


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