子供のアトピー | 廣田漢方堂のスタッフブログ

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前に子供のアトピーの方について書いた。

その時も少し書いたが、子供のアトピーは個人差はあれど、原因は単純なことが多い。

逆に言えば大人のアトピーは複雑で経路がズタズタになっていたり

ステロイドで症状を隠されていることも多く、病態を把握しにくい。

舌を見た場合でも、ステロイドを長年使っている方の舌は特徴的ではあるが

特徴的などという言葉の枠を超えるくらい掴むのが難しい極端な舌をお持ちの場合が多い。



子供の場合、アトピーには限らないが、症状の原因は2つ。

先天性の異常か後天性の疾患。

そりゃそうだが、後天性の疾患についてが大人とは違って特徴的で、後天性の原因の99%は親が原因。

つまり子供の疾患は先天性か親が症状を作っているため、子供には全くの非がない。



後天的な疾患のほとんどは親が”大人になれていない病”が子供に症状として出ていると考えている。

これにも2つ分かれるが、①親としての責務を果たしていない場合と②過度に子供に接しすぎる場合だ。

ようはどっちにしろ極端がいけない。



①については誰もがわかると思うが、原因は親の怠慢である。

お菓子を食べさすだけ食べさせたり親の都合で夜更かしさせたり

過度に不潔な環境で生活していたりすること。

だが、これらが原因で子供に症状が出てくるような人の場合は

漢方でどうにか!

とこちらに来局されるより病院に行って症状を隠すだけで治ったと思う人が多いので

実際に自分の臨床上ではこれが原因で来られる人はまずいない。

またその場合、その子供が成長して親になった場合、同様のことを繰り返すことが多い。



②は子供のことを面倒見ているようには見えるが、それは自分の子供への心配を理由に

自分の衝動を制せられない精神の弱さを持っているからである。

親が子供を心配する気持ちは痛いほどわかる。

だが、その心配を行動に出しすぎてしまうことが子供には確実に負担になっている。

心配したらいてもたってもいられない、そこを乗り越えることこそ治療の一歩目かもしれない。

そしてそれを乗り越え、子供の症状が完治した時には

親のあなた自身の「大人になれない病」が治っているのかもしれない。



漢方的に考えたら前に書いた稚陰稚陽でもあるが

肺脾腎の弱りが皮膚の組織を弱らせ、つまり皮膚の防御機能を弱らせ

アトピー症状を出してしまうか、もしくは肝心に火の過剰が皮膚を炎症に導いてしまう。

これらを補い、また火を発散させることで大体の子供のアトピーは良くなる。

弱りに対しては、食事からの偏りや睡眠の状態、空気の状態などが関わっていると考えられるが

脾肺腎ということもあり、基本は血の分野よりも水の汚れが主体となり症状が出ていると考える。

大体こういう子供の舌は子供ながらに苔が多く分布されていることが多い。

また肝心の火の問題もそれらの虚がベースとなり相対的な実である場合も多い。

身体や感情の器の小ささから火が漏れやすいために肝火やそこからの心火(心包熱)へと波及している。

これこそ、過度に親がかけるストレスが火をどんどん大きくしてしまう。

またもちろん外因的要素(風邪のような)が内側に滞留して症状を引き起こすこともあるが

やはりそれらを大きく受け止め、焦らずに適切な対処をする。

自分も子供が生まれて感じていることだが、

子供が生まれる前から親は大人にはなりきれていない。

子供が自分をもっと成長させてくれる。

子供がというか子供がくれる課題が自分を成長させてくれる。

それを人のせいにしたり逃げたりすると、子供に症状が出てしまう。

こちらではそれが原因と考えるので、漢方的にどうか

ではなく、親が大人として成長することを助けられるように

子供を治療するのでなく、親を治療するのである。

それは漢方を親に飲んでもらうこともあるが、そうじゃなく

親としての心構え、成長を相談を通して促していくということである。


廣田漢方堂薬局・鍼灸院 漢方療法チーフアドバイザー 櫻井 大輔