今朝、水曜日定例の血液検査があった。
そのあと朝食を少し食べて、午前中は寝て過ごした。
ここのところ、大体そう。
昼御飯まで寝て過ごして、午後から活動、寝るのは午前2時頃。
昨夜気になっていたリンパ浮腫は、完全に消失していた。
昼前に母が面会に来てくれて、二人で病院前のカフェにランチを食べに行った。
ハンバーグと水出しコーヒーが美味しかった。
外出前、母の前で初めて帽子を取ってカツラを着けた。
最初の抗癌剤治療のときも含めて、母に髪の無い姿を見せるのは初めてだったが、軽い調子で帽子を脱いだ。
母も特に何も言わなかった。
カツラのヘアスタイルについて、もみ上げをもう少し短くしたら良いのに、と言っていた。
その後、放射線治療を受けて、水曜日なので放射線治療担当医の診察があった。
明日、午前11時ごろに胸腹部造影CTを撮ることになり、その段取りについて話し合った。
そして、今朝の血液検査の結果、白血球は1300/μL、血小板は4万5000/μLであると教えてもらった。
これで、明日の抗癌剤も中止だ。
明日の造影CTの結果、左肺門部のリンパ節が腫大しているかどうか、あるいは他の臓器にへの転移が無いかどうかで、今後の治療を決める。
左肺門部リンパ節への放射線治療をどのタイミングで行うか、抗癌剤はその放射線治療の前に入れるか同時に入れるか。
病棟に戻って、婦人科の主治医が二人で病室に来てくれて、入院中の経過を母に説明してくれた。
その中で、次のような説明があった。
「今のところ、放射線治療も休むことなく出来ています。
抗癌剤は白血球の減りが大きく、まだ2回しか入れられていませんが、このまま放射線治療優先で行って、来週中には一旦退院できると思います。
ただ、放射線治療は、あくまでも局所治療で、今放射線を当てているところにしか効きません。
それで、退院したら、毎週近くのクリニックで血液検査をしてもらって、白血球が増えてきたら抗癌剤を入れるために外来を受診してもらうというようにしようと思っています。」
それに対して、母は「2回目の放射線治療が終わったら、それで退治出来るんですよね。」と聞いた。
すると、婦人科の上の主治医は、こう答えた。
「普通だったら、骨髄を休ませるためにも、画像上分かる癌が無ければ、抗癌剤は一旦お休みします。
ただ、前回の治療から、今回リンパ節に転移するまでの期間が短いので、すでに目に見えないレベルで、どこかの臓器に転移してしまっている可能性も考えられます。
そこで、毎週は無理でも、例え月に一回でも抗癌剤を入れて、今の良い状態を出来るだけ長く保っていきたいと思っています。
今後、どこまで治療を続けるかは、また今後本人さんと相談して決めていきます。」
母は、その説明に納得した様子だったが、私は疑念が残った。
何となく遠回しに、「根治は無理です。」と言われたのだ。
これは、今までと様子が異なる。
何にも状況は変わっていないのに、説明の雰囲気が異なっているように感じた。
ただ、医学的に考えて、遠隔転移で再発している癌なのであるから、根治は難しい、ということが現実なのであろう、ということも理解できる。
そして、「根治出来ます。」とは、家族に対してとても断言できる状況で無いことも分かる。
私は、自分の認識と少し違うと感じたが、母のいる手前、それ以上のことは主治医に聞けなかった。
婦人科の主治医は、前回の骨盤部、傍大動脈リンパ節部、鎖骨部への放射線治療から、あまり時間が経っていないのに縦隔や肺門部のリンパ節が腫大したことを、「期間が短い」と表現した。
しかし、私は「耳無し法一」の耳(つまり、鎖骨部と傍大動脈部の間の放射線照射の範囲外)にあるリンパ節が腫大したのであるから、このリンパ節に対する前回の治療とは、抗癌剤の最終投与である昨年の11月頃のことである、と思っている。
抗癌剤しか使っていない部分の、1年後の再発。
…別に、良くあることで、取り立てて早い再発だとも思わないのだ。
だから、今回も縦隔と肺門部のリンパ節に対する放射線治療が終わって、3ヶ月待ってPET-CTを撮って、その時点でどこにも集積が無ければ、経過観察で良い、ということになるだろう、と思っているし、そうなったら良いなあ、と思っている。
母には自分の考えを説明して、「とりあえず、放射線治療が終わるように頑張るわ。」と付け加えた。
母を送り出した後、もう一度婦人科の主治医を呼んで、私の認識との相違について確認することもできた。
しかし、明日の造影CTの結果によって、実質臓器への転移などが認められれば、全く無駄な議論に終わる。
だから、全ては明日のCTの結果を踏まえて話し合うべきであろう。
左肺門部のリンパ節に対しては、少ないweeklyTC療法の2回分の抗癌剤が入っている。
とは言え、今のところ無治療で2ヶ月放置しているのと、あまり変わらない。
だから、左肺門部のリンパ節が腫大していても、ちっとも不思議ではないし、その間に実質臓器へ血行性転移を起こしていても全く不思議では無い。
だから、全ては明日の造影CTの結果を見てから、今後の治療をどうするか、を決める。
婦人科の主治医との認識のズレは、その時に修正する。
その認識について、私が正しかろうと、主治医が正しかろうと、治療方針はどちらでも大して変わらないし、自分の希望することは伝えるし、結局出来る治療は同じであるから、それほど重大な問題ではないのかも知れない。
ひとまず、続きは明日考えることにしよう。