子宮と卵巣を摘出してから、初めての婦人科外来受診だった。

おととい弾性ストッキングをはかずに2時間ほどパソコンで作業した。その上、昨夜は実家まで長距離移動したせいか、恥骨の上にのさばるリンパ浮腫が過去最大級で、まあまあのせり出し具合だった。
しっかりマッサージをして寝たが、今朝はまだポニョっとしていた。


病院に到着すると、まず採血を済ませてカフェでお茶をした。
その後、事務に行って、丸山ワクチンの臨床経過報告書と、母が入れてくれていた生命保険の診断書作成を申し込んだ。


そんなに長時間待たず、婦人科外来診察室へ。

主治医に会って、まずはリンパ浮腫が起こったことを報告。
「手術ではリンパ節を取っていないので放射線治療の影響でしょうね。」と言われた。

次に、手術で摘出した子宮の病理組織検査の結果について、
「癌細胞かもということで手術をしたんだけれども、実際に取った細胞を私が見ると、病理医は癌細胞と書いているけれども、癌細胞というより治療の影響で変形しているじゃないかな、というものがほとんどだった。」と。


血液検査の結果は、血小板が5万3000/μL、白血球が3300/μL。
何もしていないのに血小板が減っている。
と言っても、先月の退院時は7万だったけれども。
だから、血小板は元々少ない、とも言える。
2回の血液検査時に共通しているのは、セフェム系の抗生剤を使用していたことくらいだ。
もう少し様子を見ることにする。
腫瘍マーカーCEAは、2.0ng/mLで今日も正常。


次に内診台に上がった。
まず、尿道口を観察てもらって、外観は発赤も無い、とのこと。
次に、導尿カテーテルで、検尿一般、沈査、尿塗抹培養を提出。
ついでに沈査の結果も聞いて帰れる、とのことで一旦診察室から出た。

結局、検尿では、赤血球は出ているが白血球は検出されなかった。
婦人科の主治医は、今抗生剤が効いてきていて、これから血尿や頻尿の症状が良くなるところなんじゃないかと思う、と言った。
そうすると、今の症状はせいぜいあと2、3日で治るはず。
来週の月曜日には泌尿器科受診だから、その時までに治らなければその時こそ細胞診を受けることになるだろう。


待ち時間の間に、放射線治療の担当医のところに行って、予約もしていないのに受付を済ませて、待ち時間10分程で診察に呼ばれて、さっそくリンパ浮腫を見せた。
担当医は「手術でリンパ節を触ってないっていう話でしたから、これは放射線治療の影響でしょうね。」と、ちょっと残念そうに言ってくれた。
私は「『足を虫に刺されても、リンパ浮腫になるかもしれないから、虫除けしっかりするように。』って聞いていたのに、手術なんかしたんだから、リンパ浮腫になっても、そりゃしょうがないでしょ、って思ってますよ。」と返事した。
担当医は、病理の結果を見ながら「まあ、癌細胞みたいなのがあったみたいだから、手術して良かったんじゃないですかね。」と言ってくれたので、お気遣いに感謝しつつ、
「それが、婦人科の先生には『実際に細胞を見てみると、治療の影響で変形していただけかも。』って言われたんですよ。でも、これで少なくとも子宮から再発する可能性はゼロに出来たわけですから、手術して良かったと思っていますよ。」と明るく話した。
担当医からは「それだけ、分かってもらえる人は珍しいですよ。本当によく分かってる。」と、お褒めいただき、次回外来受診の予約をして終了。

まあ、この状況で、「こんなことなら手術するんじゃ無かった。」ということも出来る。
しかし、そのリスクを知っていながら手術を受けると決めたのは、誰でもない私自身だ。
実際、手術自体は完璧だったし、病理学的にもその前の放射線治療だって素晴らしかったと証明された訳だし。
だから、先生に恨み言を言うつもりは全く無い。


過去の血小板数を確認するため、退院日に取った血液検査の結果を印刷してもらった。
そこで、もう一つの腫瘍マーカーSCCが3.4と上昇していたことが判明した。
今日も腫瘍マーカーの採血を受けたが、SCCは3日ほど経ってから結果が出る。手術の影響なのかもしれないが、今日の検査結果を待って次の行動を考えようと思う。


過去のことについて、タラレバの話をするのは好きではないが、もし放射線治療を始める前に、放射線治療の後から子宮全摘手術をする方向で考えていたとする。
そうすれば、子宮への線量は少なく出来たであろうし、RALSは受けなくて済んだだろう。
しかし、リンパ浮腫の発症について考えるならば、ここで大事なのは骨盤内のリンパ節に対する放射線治療だ。

手術でリンパ節郭清はしたくはないから、おそらく放射線治療では根治照射を受けて、今と同じだけの全骨盤照射を受けたはずだ。(厳密に言えば、放射線治療開始時にはリンパ節は腫れていなかったので、根治照射というより予防照射と言えるが。)
そうなれば、結果的には今と同じ確率で、リンパ浮腫、放射線性膀胱炎、腸閉塞の可能性が出てくるわけだ。
だから、間違った選択をしたせいでリンパ浮腫になったのではなく、後悔する余地は無い。


今日も引き続き長距離移動したせいか、股関節を90度曲げて椅子に座ると、リンパ浮腫の部分が腹と太ももに挟まれて痛みを感じるようになった。
リンパ浮腫の奴め、あなどれん。
明日は、ゆっくり過ごしてリンパ浮腫の改善に努めよう。