今日は、予定通り入院した。
そして、無事に造影MRIを終えて、術前処置も済み、明日の麻酔や手術の説明を受けて、終了。

しかし、術前検査や処置などで、結構それなりに忙しかったこと、何より、カワイイブロ友さんが早速お見舞いに来てくれたおかげで、明日への不安で暗い気分になるということも無く、後は寝るだけ。


ところが、そんな平穏の裏には、数々のインシデント(一部はアクシデント)が隠されていた!
簡単に言うと、
インシデント→医療事故になりそうだった。
アクシデント→医療事故になってしまった。

まず、1つ目。
今日は造影MRIがあるので、朝食後は絶食にしていた。

入院後すぐに、担当ナースから本日の予定を簡単に聞いた。
そこに書かれている予定では、"午前10時にマグコロール®の服用、17時にはプルゼニド®2錠内服、明日の朝5時から6時には浣腸60mL"、とあった。
それを一通り聞いてから、下腹部の処置を受けた。

処置とは、恥骨上付近まで、クリッパーで剃カット。
「綺麗ですけれど一応やっときますね。」と、臍をオリーブオイルと綿棒でキレイにしてもらって、処置は終了。

続いてシャワー浴。すぐにシャワー浴の順番を確保してくれたのだが、その時に、"もうすぐ昼食だから、シャワー浴が済んだら、昼食後にはマグコロール®(水に溶かして服用する下剤)を飲むように"勧められた。

私は、下剤ってお腹痛くなるのかなあ、などと考えながら、急いで入浴セットと着替えを用意していた。

...しかし、入浴しながら、ふと考えた。
「待てよ?何のために検査前絶食にしているのだ?MRIの時に腸管の動きがあるとアーチファクト(偽像)になるから絶食にしているんだろう。ここで、ご飯や下剤取っちゃダメでしょ。」

ちょうどシャワー浴から上がったところで、新しい2人目の主治医になった若くてカワイイ女性の先生が部屋まで来て、やはりご飯や下剤を勧めてきた。
そこで、キッパリ笑顔で「午後からMRI行くのに、今、腹動かしてどうすんの。」とお断り。

で、造影MRIのためのルートを取るとき、「放射線科の指示で、ブスコパン 1筒 静注してから腸の動き止めてから造影MRI、っていう指示が出ました。」とさ。
下剤なんか飲んでたら、検査中断してトイレに何回行くハメになったか。かつ良い画像は撮れず、良いこと無いぜ。

医師や看護師も人間。
子宮全摘手術の対応には慣れていても、普通外来で済ませてくる検査を入院して受ける、という、いつもと異なる状況が発生すると、そこに臨機応変に合わせることが、少し難しくなることがある。
それは、ルーチンの経験が多い程、ルーチン以外の対応には、特段の注意が必要になるだろう。


2つ目。
カワイイ主治医は、造影MRIのためのルートを取る時、一緒に採血しますね。と言っておきながら、いざルートを取ると、採血しないで駆血帯のゴムを緩めて、点滴をつなごうとした。
私が、「採血は?」と聞いて思い出したが、残念ながら、あまり血液が出ず、別のところから採血した。


3つ目。
点滴の針を刺す前、血管の細い私の提案で、ホットパックで手を温めていた時、カワイイ主治医に、ふと聞いてみた。
「私、今回の入院前に、心電図とか胸のレントゲンとか撮っていなくて、前回撮ったの、去年の12月とかの気がするんですが。術前検査、良いんですかね。」
すると、カワイイ主治医が「え、そうなんですか。ちょっと後で確認して、今日検査に行ってもらいます。術前検査として有効なのは、だいたい1ヶ月前までくらいなので。」と。

…本当は、誰が術前検査の指示を出すべきだったのかは、知らない。
でも、今日のうちに検査受けられて良かった。
まあ、私が言わなくても、麻酔科が術前検査の結果をチェックしたら、検査指示もない、という状況を発見してくれていただろう。

カワイイ主治医が、麻酔科に指摘される前に気付いて良かったね。
…って、患者に指摘される方が嫌か。


4つ目。
MRIが終わると、カワイイ主治医が、私の様子をMRIの操作室で見ていた。
それで、「気分悪くないですか?」と聞いてくれた。
アナフィラキシーにでもなっていないか、心配して来てくれたのか。なんて良い人だ。

すると、「この後病棟に帰らないで、すぐ胸のレントゲンに回ってください。」と言ってくれた。
「もう、検査呼ばれた。ラッキー♩」と思っていたら、カワイイ主治医が、ものすご~く申し訳なさそうに、「病棟に戻ったら、もう一回採血させていただけませんでしょうか。」という。

さっき、ルートを取る時に血液が取れなかったために、反対の腕から新しく3本のスピッツ(採血用の試験管)に採血した。
その時、準備するスピッツの種類が不足していたので、もう一度採血をしなければならない、という。

病棟に戻ったら、ナースが採血のために持って来たスピッツは6本だった。
スピッツは、中の試薬の種類が異なることを、蓋の色などで識別している。だから、だいたいスピッツの色と大きさを見れば、何の検査用なのか、想像が付く。
感染症、凝固機能、…確かに、術前に検査して当たり前の項目のスピッツが抜けていた。
最初の採血の時に、私もそこまでは頭が回らなかった。

このあたりで、付き添っていた母が「この病院、大丈夫なんか。」と言い出す。
「私がシッカリしているから、大丈夫。」というと、今度は明日の術中のことを心配していたが、術中は上の主治医がシッカリしているから、多分大丈夫。


5つ目。
日中、検尿がある、と言ってコップを預かった。
すぐに担当ナースに「出したよ。」と言って、検体置き場に置いたことを伝えた。
すると、「分かりました!ありがとうございます。」と言っていた。

なのに、消灯前にトイレに言ったら、私が置いた検尿コップが、検体置き場にそのまま置かれていた。
もう、5時間は経っているし、夜間で緊急検査出すようなものでもないし。

明朝、もう一度尿を取って出すことにした。


大事なことは、医療安全には、患者側も参加すべきであるということだ。
人違いを防止するための、「お名前確認」もそれに当たる。
最近の病院では、度々フルネームで名乗る機会がある。

しかし、それだけでは無く、患者側からも「おかしいなあ。」「これで良いのかなあ。」と思ったことを、口に出して言ってみることが大事なのだ。
その「おかしいなあ。」は、ただの勘違いかもしれない。
それでも全然構わない。
勘違いが解消出来たら、それはそれで、意義のあることだ。
大きな事故になる前に、阻止できたら、それに越したことはない。


医師や看護師も人間。
「先生なら大丈夫。」「あのナースなら間違いない。」と、思って黙っていると、その後で事故につながるかもしれない。
「あの時、何か変だと思ったんだよ…。」という後悔をするくらいなら、聞いた方が良い。

看護師としても、本当にそう思う。