9、秘密(4) | フォーエバー・フレンズ

9、秘密(4)

そしてその日の晩、恭子は圭一郎の自宅へと向かった。『イー・フラッシュ・ネット』の件もあったが、自分の気持ちを正直に伝えたかった。




「好きです」




その一言を伝えようと、恭子は夜遅くに成城学園前駅を降り、そのまま圭一郎の自宅へと向かった。


成城学園の住宅街は、夜になると人通りがめっきり少なくなる。そして近所の公園前に差し掛かったその時、背後から複数名の男たちが、一斉に恭子へと襲いかかった。




「きゃー!!!」






その時圭一郎は自宅へと戻る最中だった。街灯がともる住宅街を一人歩く圭一郎。現場作業終了後の経理処理で、少し遅くなってしまっていた。


「きゃー!!!」


「え?」

突如公園の方から聞こえた女性の悲鳴。それは間違いなく恭子の声だった。

そう思うと圭一郎は、咄嗟に公園の方へと走り出した。


そして公園前にたどり着くと、恭子は既に意識は無く、そのまま複数名の男達に連れ去られようとしていた。

「お前ら!!!」

圭一郎の大きな声に驚き、男達はその場から走り去って行った。


そして頭から血を流しながら、地面にばったりと倒れる恭子を抱き起すと、「恭子ちゃん!恭子ちゃん!」と言って、何度も体を揺さぶった。しかし、恭子は目を開けようとはしなかった。

そしてその後、成城学園の住宅街に救急車のサイレンの音が鳴り響いた。