37本目(4月25日鑑賞)

 
11人の犠牲者に黙祷
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バーニング・オーシャン
 
監督:ピーター・バーグ/脚本・原案:マシュー・サンド/視覚効果:クレイグ・ハマック
出演:マーク・ウォールバーグ/カート・ラッセル/ジーナ・ロドリゲス/ディラン・オブライエン/ケイト・ハドソン/ジョン・マルコビッチ
 
2010年4月20日、トランスオーシャン社の石油採掘施設ディープウォーター・ホライズンに乗り込んだマイク(マーク・ウォールバーグ)、ジミー(カート・ラッセル)、アンドレア(ジーナ・ロドリゲス)、ケイレブ(ディラン・オブライエン)らスタッフ。雇い主であるBP社のヴィドリン(ジョン・マルコビッチ)に作業の遅れを取り戻すよう促され、採掘が始まったものの、テストをクリアしたはずの機器が異常な数値を出し始めた。
 
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実話です。凄い! 怖い!
 
…の前に、揺れる4D系エンタメをイメージされている方(←hiroのこと。事前に教えてくれた友人に感謝)はご注意。史上最大規模の人災と正面から向き合った硬派な作品ですから。
 
クライマックスへの煽りも、感動の演出もなし。記録に残されたありのままを再現。妙な夢、車の故障、ネクタイの色、バードアタックと不吉の前兆も生存者の証言なのか、ありのまま。
 
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そこに、この映像だ。尋常でない火の量に唖然。いろんなもんが落ちてくるし、床もガラスの破片だらけで痛い。爆発音や振動もビリビリ。4D的演出もないのに臨場感しかないのでビビる。
 
序盤、事故発生まではしんどい。というか、理系工業用語が難解。娘との「石油が自然と上がってくる」の会話と缶コーラは重要。ただし、泥水噴出からは理屈不要。逃げろ逃げろ。
 
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ウォールバーグが主役だが、決してヒーローではない。本作、かかわったものすべてがヒーローだ。

ラッセル演じるジミーのリーダーシップも頼もしい。ヴィドリンのクソ加減もマルコビッチならでは。ジーナ・ロドリゲスはミシェル・ロドリゲスの後継か。オブライエン、「メイズ・ランナー」の完結編も頼む。
 
ウォールバーグは次作の「パトリオット・デイ」(監督:ピーター・バーグ)もボストン・マラソン爆破事件の実話…「トランスフォーマー/最後の騎士王」も控えている。楽しみがいっぱい。
 
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平たく言うと、事故が起きて生還するまでの再現ドラマ。映画としての意義はあるのか?…ある。利益最優先のバカ男。我れ先に逃げる男。みんなを守るために犠牲になる男。掘り下げてなくても、そこにドラマはちゃんとある。ホテルの部屋での慟哭には涙。

一方で「記録」でもあり、事故を風化させない意義もある。2日続いた火災の鎮火後も87日間原油の海への流出は続いた。エンドロールを見て思う。この作品は、11人の犠牲者への追悼であり、汚してしまった海への贖罪であると。
 
 

hiroでした。
 
 
 
脚本6 映像10 音響10 配役8 音楽7
41/50