61本目(9月17日鑑賞)

 
信じてこそ見える光
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怒り
 
監督・脚本:李相日/原作:吉田修一/音楽:坂本龍一
出演:渡辺謙/宮﨑あおい/妻夫木聡/広瀬すず/佐久本宝/ピエール瀧/三浦貴大/高畑充希/原日出子/池脇千鶴/綾野剛/森山未來/松山ケンイチ
 
東京八王子で夫婦惨殺事件が発生。警察は犯人のモンタージュ写真を公開するも、捜査は進展をみなかった。
事件発生から一年。東京のゲイクラブで優馬(妻夫木聡)は直人(綾野剛)と出会う。家出から千葉の家に戻った愛子(宮﨑あおい)は父(渡辺謙)の会社のアルバイト田代(松山ケンイチ)と出会う。沖縄の無人島を訪れた泉(広瀬すず)は廃墟で気ままに暮らす田中(森山未來)と出会う。

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止まらなくて困った、涙が。
 
タイトルが「怒り」だ。猟奇殺人犯だ。ドーンとくる重いラストに身構えていた。それがどうだ、この…まずい、書けない。
 
ミステリーではない。殺人犯とどこか似ている三人の男が抱えるのは自分にはどうすることもできない「怒り」。だが、本作のテーマは「人を信じるということ」だったと思う。

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信じてもらえない「怒り」。
信じてほしい「欲求」。
信じられないで引き込まれる「闇」。
信じたいと思う「希望」。
信じて見える「光」。
 
抽象的でスミマセン。
何を書いてもネタバレになりそうだ。

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出演者の演技に凄み。もし、真相を知ってから再見したら、あの人がハンパなく怖くて、激しい怒りさえ覚える。一方で安堵の涙、喜びの涙、後悔の涙。俳優陣の大仕事。特にあおいちゃん、賞レベルの新境地。
 
あ、忘れちゃならない佐久本宝くん。本作デビューのウチナンチュウ。豪華スターに囲まれながら、最後まで頑張りました!

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豪華共演はよくある。ぶつかり合い、相手を削ることなく高め合う。脚本、キャスティング、編集でこの難業をこなす李監督。足し算の仕事は堅実だが、大仕事には掛け算が必要だ。
 
信じることの落とし穴。なんとも世の中、世知辛い。気をつけようと誰もが思う。反面思っている、ホントは信じたいんだと。
 
人を信じられない闇の深さと、信じたことで見える光。明暗のコントラスト。同じコンビの「悪人」は暗のみだったので苦手。本作、明があるからこそ「光」を感じた。
 
 
 
hiroでした。
沖縄編の中に一部の方に過酷なシーンがあるのは気になった。
 
 
 
脚本8 映像8 音響7 配役10 音楽9
42/50