50本目(7月1日鑑賞)

 
韓国版「フォレストガンプ」
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国際市場で逢いましょう
 
監督・脚本:ユン・ジェギュン/脚本:パク・スジン/音楽:イ・ビョンウ/美術:リュ・ソンヒ
出演:ファン・ジョンミン/キム・ユンジン/オ・ダルス/チョン・ジニョン/チャン・ヨンナム/ラ・ミラン/キム・スルギ/ユンホ
 
釜山港を見下ろす高台に腰掛ける老夫婦ドクス(ファン・ジョンミン)とヨンジャ(キム・ユンジン)。ドクスは今は行くことができない故郷の港に想いを馳せる。朝鮮戦争で離れ離れになった父と妹。最後に見た父と交わしたふたつの約束を守るためにドクスが韓国の歴史と共に歩んだ道は、艱難辛苦の道だった。

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我々の暮らすこの国のこの時代。平和しか知らない我々は先人たちの想いを知らない。先人が築いたこの平和…どうしてまた壊そうという議論がなされるのか。
 
隣国では、我が国が「戦後」を迎えてもなお、混乱の中にいた。朝鮮戦争。南北分断。誰と誰が戦っているのかもわからない混乱の中、多くの家族が離散した。
 
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男は親兄弟のため、子孫のため、前向きに、明るく生きる。男をそうさせたのは、別れた父と交わした約束。
 
男は笑顔で言う。不幸な時代に生まれてよかった。苦労するのが僕たちでよかった。これが子供達の時代だったら…。

多くのブロガーさん絶賛の本作。上映館、上映時間の都合でなかなか縁がなく。上映最終週のファーストデイにようやく滑り込み鑑賞。
 
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韓国映画はほとんど観てないけど、一度だけ行ったソウルは楽しかった。その時行った板門店。その事件がこのストーリーの発端。少年時代の主人公同様、それに気づくのに時間がかかり、気付いた時にハッとした。

現代の社長や韓国相撲の英雄や有名ファッションデザイナーや有名歌手…韓国の方にはお馴染みなのかな。韓国史を知らない人には置いてけぼり感。
 
韓国史の重要事件の度にその一端にいるという都合の良さ。「三丁目の夕日的」と言われるが、むしろ韓国版「フォレスト・ガンプ」の趣。

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韓国映画に疎すぎるので、出ている役者は知らない方ばかり。主人公のファン・ジョンミンは、難役だったと思うけど表情がよい。ベトナムに従軍していた人気歌手が見覚えあると思ったら東方神起だった。
 
作り方によっては重い話。過去を受け入れ、明るく前向きに生きる人々を描いたジェギュン監督。今の大人が未来の子孫のためにしなければならないことを示したことに、力量を感じた。
 
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どんな苦労も厭わなかった主人公が、一人部屋で父に漏らす作品中唯一の弱音が、涙腺の堰を切る。
 
頑張ってるお父さん、お母さん向けかな。
 
 
 
hiroでした。
重い記事だけど(笑)、軽いタッチで楽しく見れる作品で、世界史の勉強にもなる。お勧めですよ。

 

脚本7 映像7 音響6 配役8 他(編集)8

36/50