37本目(6月28日鑑賞:午前十時の映画祭)

 

 

あの少年たちと再会してきました
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スタンド・バイ・ミー
 
監督:ロブ・ライナー
原作:スティーブン・キング
出演:ウィル・ウィートン/リバー・フェニックス/コリー・フェルドマン/ジェリー・オコネル/ジョン・キューザック/キーファー・サザーランド/リチャード・ドレイファス
 
交通事故で兄を失ったばかりのゴディ(ウィル・ウィートン)、評判の悪い家庭環境に育ったクリス(リバー・フェニックス)、戦場から帰り心を壊してしまった父を敬愛するテディ(コリー・フェルドマン)、コンプレックスの塊バーン(ジェリー・オコネル)。12歳の夏、進学を前に集まった4人組が経験した、忘れ得ぬ2日間。
…おそらくみなさんご存知なので、あらすじはこんなもんで。(笑)
 
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バカやって…
 
12歳の夏。
東京都三鷹市に住んでいた。
自然と呼べるような
自然も残ってるわけでもなく、
カブトムシをとってたわけでもなく、
釣りに明け暮れたわけでもなく、
かといって、
今の子のように、中学受験も頭になく、
なんとなく過ごしていたかな。
もしかしたら、「スターウォーズ」の
歴史的第1作が日本で公開された年、
だったかもしれない。
高校野球は「逆転のPL」の年か、
早実・荒木大輔1年生の年だったか。
あとで、調べてみよう。
卒業はまだ半年以上先の話。
クラスメイトの大半は同じ中学に進む。
ただ、来年の夏休みは、中学生。
それだけは、漠然とだけど、
確実なことだと、思っていた。
 
 
ゴディたち4人は、その12歳の夏、
「死体」を探す旅に出た。

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ハラハラして…

なぜ彼らは「死体」を探したのか。「死体」など、みたがる少年がいるのか。道徳や死者への敬意というものは、大人の理屈。たいていが度胸や勇気、そういうものの対象なんだと、思う。
 
劇中、ゴディが言う。楽しいわけじゃない、と。欧米は9月に新学期が始まる。12歳の夏が終わると、中学生になる。彼らにとって子供でいられるのは、この夏が最後なのである。「死体」はただの建前でしかないんだと。
 
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すんごいもん見つけたんだけど…
 
大人ぶって、タバコを吸う。「食後の一服が最高」などとませてみせる。袖まくりした半袖Tシャツにくるんだタバコのケース。hiroが吸い始めた頃も、そうしていたのを思い出す。
 
そんな彼らの話題が、TVブログラムの「ミッキーマウス・クラブ」。グーフィーは犬かどうか。そんな会話が、ムズムズする。

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もっと凄いものを手に入れるんだよね。
 
夜は不思議な力がある。昼間は意気がって言えなかったことが、素直に言えたりする。女々しくなんかないよ、クリス…思わず、坊主頭の少年の肩を抱いて、言ってあげたくなる。二度目の鑑賞にもかかわらず、また涙した。
 
大冒険でも、爽快なラストでもない。それでも、ただ懐かしいだけじゃない。誰もが経験した12歳の夏。そこに置いてきぼりにしてきた子供の頃の自分に、再会させてくれる暖かい作品。
 
以前から気にはなっていた「午前十時の映画祭」。たまたま時間が空いたので、初めて足を運んだ。
新作を追いかけるのは、すごい宝物に出会えるかもしれないというワクワクがあるから。それはやっぱりやめられない。だけど、そこに確実にある宝物を観に行くのも、いい。時に宝物は、違う光を放っていたりもするから。


 
 
hiroでした。
劇場鑑賞数にはカウント。ただし、再見のためランキング対象外。