32本目(7月10日鑑賞)


崖っぷちの男


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-がけ



やられた。このタイトルにやられた。

「崖っぷちの男」である。何とも奇妙なタイトル、っていうか変である。小林旭かよ。みたいな。ゆえに、興味をそそる。知りたくなる。この邦題を決める会議、いったい何時間、いや何日かかったのだろう。発案者は上を説得するのに、さぞ骨を折ったことだろう。タイトルだけで観る気をなくされるかもしれない。一か八か、である。この映画のラストと同じである。ラスト…ああ、ここでは言えない。


ひとつだけ言っておきたい。この映画、タイトルだけではない。今年のアクション系映画の中で、ナンバー・ワンである。これはhiroを信じてくれていい…と思う・・・んだけど。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-がけ1


ダイヤ強盗の罪で服役中の元警官ニック(サム・ワーシントン)が父親の葬儀のために一時出所。警官の隙をついて逃走したニックはニューヨークの高級ホテルの高層階で飛び降り自殺を図ろうとする。自殺を阻止しようとする警察。興味本位で集まる群衆。特ダネねらいのマスコミ。たった一人の男の出現で、さまざまな人の心が動く。

ニックの指名を受けて駆り出されたネゴシエーター・リディア(エリザベス・バンクス)は交渉を重ねるうちにニックの身元を割り出し、彼の行動の真相を探る。

ニックにダイヤを盗まれた不動産王イングランダー(エド・ハリス)は、新規プロジェクトの記者発表の準備を進めるが、隣のホテルで自殺を図ろうとしている男がニックと知って警戒する。

脱走したニックの後を追っていた元相棒のマイク(アンソニー・マッキー)は、ニュースでニックの暴挙を知り、現場に向かう。

ニューヨーク市警のマーカス(タイタス・ウェリヴァー)は強硬措置を主張し、狙撃班の投入準備を進めるが、交渉・説得を主張するリディアと対立する。

それぞれの思いが交錯する中、ニックの弟ジョーイ(ジェイミー・ベル)とガールフレンドのアンジー(ジェネシス・ロドリゲス)は、ニックと連絡を取りながら密かに行動を起こす。



観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-がけ2

交渉中。


あらすじついでに、登場人物紹介をつらつらっと書き連ねた。これでも足りない。もっと多彩で雑多で重要なカギを握る人物、いい味出してる人物が登場する。

てっきり上の写真の場面の一場劇かと思った。予告で「違うのか?」と思ったりもしたが、じゃあどうなんだというのが、さっぱり思いつかなかった。何かしらの仕掛けはあるんだろうと、ワクワクする。


観た。


そうきたか。展開は上の写真の場面を中心に、3~4の場面で同時に動く。それぞれの人物がそれぞれの信念で動く。信念は観る者に明かされないまま、である。観る者はほぼリディアの観点でこのサスペンスを追う。徐々に明かされる事件の真相。徐々につながる人と人。計算された時間軸とヒントを投げるタイミング。この脚本・演出・編集…秀逸である。傑作である。

音楽もまたいい。映像もまたいい。アンジーもまたいい。ジョーイめ、うらやましい。


そして最後に正体を明かすある人物。そうだったのか。これは「家族」の物語。仲間の絆の強さ、納得である。これはどこかで…あ。思い出したが言えない。言うとすごいヒントになる。言いたい。いいかな。やめとこう。


そう、誰一人として無駄な登場人物がいない。役名のない群衆にさえ、大切な役目が与えられている。それでいてやりすぎもない。主人公を中心としたメインキャストを邪魔することがない。なかなか出会えない、こんな作品。


観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-がけ3

アンジー役のロドリゲス。これが映画デビューラブラブ


サム・ワーシントンは言うまでもない「アバタ―」「タイタンの戦い」の主演。そういえば3Dでない彼は「ターミネータ4」以来だ。

エリザベス・バンクスは映画の制作や監督もこなす才女らしい。若いのに凄い。

エド・ハリスは相変わらずいい。「アポロ13」みたいなナイスミドルも素敵だが、やっぱり悪役がハマる。「ザ・ロック」がよかった。でも今は若くない。今作、若くはないが年相応のワルである。

アンソニー・マッキー。イケメンである。よく観る。プロフィールを見る。「イーグルアイ」「アジャストメント」「リアルスティール」…観たのばっかではないか。思い出す。ああ、あれか。あの役か。次々思い出す。「ベーコン指数」という用語があるらしい。俳優のケヴィン・ベーコンから来ているらしい。そのうち「マッキー指数」にとってかわられるのではないか。意味不明? 長くなるので「ベーコン指数」はウィキペディアでお調べください。

ジェイミー・ベル。聞いた名だ。調べた。「タンタンの冒険」である。主人公タンタンのキャプチャー元であった。タンタンは観てない。今ツタヤディスカスから届いたブルーレイが家にある。楽しみだ。


久しぶりに熱くなった。傑作を観た。

宣伝部の戦略眼もさることながら、この作品を作ったスタッフ、キャストにお礼をいいたい。


次に観る映画…選ぶのが大変だ。


hiroでした。

マヂ面白い。