昨日のさらに続きです。登場キャラは、怪奇課周りで。

 あと、衝撃的な事実を知ったいつきとほのかですが、怒りが心を支配していておかげでまだ涙腺まで刺激が届いていないだけです。薄情だとか思わないであげてください。

 今回はかなり長い上、延々話しているだけです。まあ、どうぞー。



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「どういうことですかっ?! 獅子堂家が滅んだっていうのは!」



 ニーナの顔を見るなり、掴みかからんばかりの勢いでいつきが迫る。しかし、一年経とうが飄々とした態度の変わらぬ元上司は、たかがそのくらいで動じたりしなかった。



「言いたいことはわかるが、少し声のボリュームは抑えてくれるかな、いつきクン。お店の人に迷惑だからねえ」



 確かにここは一般の飲食店。いつきを説き伏せるため、正論を持ち出してきたのだ。
 普段の彼女であれば有効な手段だ。しかし、今回ばかりはそれで済むはずもない。



「だったら表に出る」



 いつきの後ろから顔を出したほのかがニーナの前に立つ。断るようなら力ずくだ、とその顔には書いてあった。



「落ち着きなって、神凪ぃ。ほら、ピザでも食べてさ・・・」
「そうそう、今日は課長サマのおごりなんだから! あ、もちろんそっちの子も! ね、ね?」



 慌ててなだめるのは、ミンタオとブーゲンビリアだ。タダ飯がかかっていることもあって必死である。
 助けを求めるような目で脇の小さなナビ人を見るが、視線を向けられたソルジャー・ウルは沈黙を守っていた。



「じゃ、アタシたちはこれで・・・」
「そうね。怪奇課も無事再会できたみたいだし」



 ヒートアップコンビをここまで送ってきたエリカとリリーは、それだけ言ってそそくさとその場を後にする。



「コラぁっ、逃げるなっ!」
「返せっ! 一仕事終えての楽しいディナータイムっ!」



 ブーミンの叫びが、店内に響いた。



捜査に駆ける少女達(3)



「久しぶりだね、いつきクン。まあ、この間進路のことで会ったけどね」
「はい。その節お世話になりました」



 気軽な風に話しかけてくるニーナに、いつきは他人行儀とも思える硬い口調で返した。『は』の部分を強調している。


 先の一幕からしばらく後、いつきとほのかは、ニーナとウルと向き合っていた。場所は、店の奥の座敷。たまたま空いているせきがあったので、そちらに移ったのだ。
 ちなみにブーミンはさっきの席に置いてきた。今ごろはディナーを満喫しているところだろう。


 それはいつきたちも認めたことだ。あの二人はあんまり事態に関わって無さそうだったし、あとは・・・何も食べさせずにおくと騒いで話の邪魔になるという判断である。
 元々あの二人までつかまえるつもりはなかったのだ。怪奇課が勤務時間を終えて食事に行こうとしているところに突進していったら(正式な手続きも無く署内に部外者は入れられないとリリーたちに言われたのだ)、たまたま一緒にいただけだ。


 そんなわけでうるさい連中もいなくなり、いつきたちも少し落ち着いたことで、やっと冷静に話のできる状況となったのである。



「で、獅子堂家について話せば良いんだっけ?」
「そうだ」
「はい。秋葉さんに・・・獅子堂の一家に何があったのか、まずはそこからお願いします」



 頷くほのかと、注文をつけるいつき。
 その様子にニーナは「警戒されてるねえ・・・」と思ったが、声には出さずにおいた。
 その原因がその事実を黙っていた自分にもあると自覚はしている。せめてここではいつきの希望通りにすることにしようと、口を開く。



「あの家族・・・姉妹5人にお付きのナビ人ひとり、あと・・・・ゆぴたんとかいう宇宙人は、半年ほど前に事故で死亡した」



 自分に向けられた2つの視線が鋭さを増すのを感じつつも、ニーナは素知らぬ顔で続けた。
 怒りを受け流すのは――それが正当なものであれ八つ当たりであれ――得意分野だ。



「一家が宇宙空間を移動中、乗っていたシップが大破。原因はエンジントラブルというのが結論だ。同じ船で移送中だった三機のブレインコロニーの頭脳体も全損が確認された」
「それは・・・・間違い無いことなんですか」



 がちがちに緊張した面持ちで、確かめるいつき。
 それに対するニーナの口調は、説明というより説得のそれだった。



「復興のさなかではあったが、手は抜いてないと思うよ。空域を徹底的に洗ったそうだ。ま、めぼしいものは出なかったそうだが」
「めぼしいもの?」



 不可解な単語を聞き咎めたのはほのかだ。ニーナがわずかに眉根を寄せるのを、いつきは目ざとくとらえた。



「復興だけでなくその後の発展のためにもなるってことで、上も気合い入れて捜索してねえ」
「復興と、発展?」



 行方不明者の捜索とは噛み合わない単語に、いつきがほのかを見る。
 しかし意見を求めて投げられた視線は、空振りに終わった。ほのかが目を伏せていたからだ。
 友人のまとう空気が変わったのを感じて、いつきは戸惑う。彼女の見守る中、ほのかが口を開いた。



「・・・・・・・・そうか」



 発せられた声は、おそろしく低かった。抑揚もいつも以上に乏しい。
 ほのかは普段からして感情が顔や声に出る性格タイプではないが、現在のそれとは明らかに異なる。
 今の彼女は、沸き上がる怒りを押さえつけているのだ。巻き添えでその他の感情まで押さえられ、声音から一切の感情が無くなってしまっている。


 隣のいつきがその様子に息を呑んだ。急にどうしたのか尋ねようとしたが、それに先んじて、ほのかの口がまた開いて。
 そして、言った。



「目的はレオパルドたちブレインコロニー。秋葉たち獅子堂家の人間は、ついでか」



 ほのかの言葉に、いつきが目を剥く。信じられない、といった視線をニーナに向けるも――



「そういう姿勢だったことは否定しない。・・・一応は、生身の人間では消し炭も残らない規模の爆発だったわけだがね」



 彼女の発言は、ほのかの予想をやんわりとだが認めるものだった。いつきは言葉を失う。



「脱出ポッドも残骸で見つかったし、生き延びた人間がいたら自分から出てくるだろうに、それも無しだ」



 そのニーナの言葉は、もう届いているかすら怪しい。


 ほのかがニーナの顔を見上げた。彼女の方は、表面上は冷静さを保っている。
 しかしそれは別に、話相手を威圧しないための気遣いなどではなく、全感情を軒並み押さえ込んでいるだけのことだ。
 目を見れば、その怒りは明白だ。火でも吹きそうな熱い眼差しでニーナを見据えたまま、ほのかは低く尋ねる。



「不自然な点は、何も無かったのか?」
「うん? 何か、気になることでも?」



 想像はつくが、あえて聞き返すニーナ。素知らぬ顔だ。
 直接対峙することのほとんど無かったこの怪奇課課長に、ほのかは正面からぶつかることにしたらしい(搦め手を使うような精神的余裕が無いのだろうが)。



「輸送していたブレインは三機と言ったな。それは、レオパルドの他に、ネルヴァルとクサンチッペを乗せていたということではないのか。奴らがまた人類への反逆を企てたということは?」



 ほのかの真剣な態度に、今度はニーナも真面目に答える。ただ、歯切れ良くはいかなかった。



「回収した金属部品等の残骸から、ブレインコロニーは全機が全壊ってことになった。それを根拠に奴らの仕業ではないってことになったけど・・・正直、百パーセントとは言い切れないかな。ネルヴァルにはドロイド体なんてものもあるらしいしね」
「それじゃあ、事故じゃなくて事件じゃないですか!」



 穏やかでない話に、我に返ったいつきが叫んだ。
 ニーナはそれをため息まじりになだめる。



「可能性が有るというだけだよ。あくまでも事故というのが公式の見解だ。カネ絡みであからさまに得をした者もいなかったし」
「カネ・・・・獅子堂家の遺産、ですか」
「莫大なはずだからな」



 生々しい響きに、ほのかが顔をしかめる。隣のいつきも同じ反応をして、その後に、ふと疑問に思ったように尋ねた。



「でも、家が滅んだとなると、獅子堂家の財産は誰に・・・?」
「全額、ネルヴァル関連で出た被害の復興に充てられたよ。もしもの時の手続きは、あらかじめ出来ていた。あの家は、対ネルヴァルのためにあったということかな」



 ニーナのその言葉には納得しかねる部分もあった。けれどいつきには何を言って良いのかわからず、ただ沈黙するしか無かった。
 同じくネルヴァルと戦うために生まれた戦士であるほのかが静かに同意する。



「・・・・・ああ。獅子堂の技術も財産も、ネルヴァルに対抗するためのものだ。それが一番良い使い道だろう」



 そこまで言って、少女はいったん言葉を切った。再び口を開いた彼女は、強い意思の込もった目で断言する。



「だが、事故でないかもしれないというのは聞き捨てならない」
「もちろんです! そんなこと絶対に許せません!」



 熱くなる少女二人にニーナは「・・・・事件だと言った覚えは無いんだけどな」とぼやいた。
 彼女は、頼むからこの二人を押さえるの手伝ってくれないか、という願望の込もった視線を傍らのウルに送るが、依然沈黙が続く。実は彼は、二人が乱入してから一言もしゃべっていない。
 仕方なく、ニーナがまた落ち着かせにかかる。



「本体である頭脳体を失ってまで、ネルヴァルが獅子堂家の根絶やしにこだわるかね・・・・。奴は人間と違って私情に流されたりしない。結果的に損失の方が大きくなるような行動はしないはずだよ」
「でも・・・」



 納得できないといった顔のいつきに、さらに付け加える。



「あちらさんは、寿命が無いせいで気も長い。復興に利用するために、破壊しないと決まってもいた。あのタイミングで動くとは考えにくい」
「ネルヴァリストの報復かもしれない」



 しかしほのかは尚も引き下がらない。
 それを言われたニーナは、何故かここでややぞんざいな物言いになった。



「そうなってくると、こっちではお手上げだよ」
「お手上げじゃないでしょう、ちゃんと調べるのが・・・」



 抗議するいつきの言葉は途中で遮られる。



「あのねえ、いつきクン。それを調べるのはICPではあるけど、怪奇課の仕事じゃあないんだよ」



 飄々とした態度のニーナらしからぬ、断定的な口調だった。動かしようのない事実だと言いたいのだろう。



「大財閥の一家を巻き込んでの事故。こんな大きなネタがウチの課に回ってくるわけないだろう」



 更に、直にも言ってくれた。
 いつきが大口を開ける。ここまで話しておいて部外者宣言されるとは思っていなかった。



「ちょっと待ってください! じゃあ、今までの情報は?」
「個人的な情報網からのネタさ。ウチには、捜査情報を見る権限は無いんでね」



 動揺していなければ、いつきだって気付くことだった。
 この件が怪奇課の担当外なことは明白だし、担当しているならいるで、部外者に機密事項を話せるはずもない。
 固まっているいつきに、ニーナが頭をかいた。



「まいったな、始めに言っておけば良かった。キミらが来るにしても、メールの方から手繰ってくるだろうとばかり思ってたから・・・・。説明の順番がそっちにあわせたものになっていた」
「おい、余計なことを・・・」



 ここで割り込んできたのは、今まで頑なに沈黙を守ってきた男だった。



「どうしたんですか、ウル」



 珍しくあわてふためく彼に、いつきが首を傾げる。



「いや、何でも無い。ドントウォーリィ」



 そう言うソルジャー・ウルだがそのうろたえぶりは誰の目にも明らかだ。
 向けられる視線に、居心地悪そうに身動ぎするウル。そんな彼を不可解に思い、いつきはますますじっと見る。
 妙な循環ができあがっている脇で、ほのかは先のニーナの言葉の言葉を出し、「あ」と漏らした。



「メールって・・・・・そう言えばさっき、秋葉からメールが来てた・・・」
「ああ! 半年前の事故以後も私たちに届いてきた秋葉さんのメール・・・・」
「・・・・忘れてたのかい?」



 呆れ顔になったニーナだが、いつきに「いきなり友人がが死んだって聞けば、衝撃でイロイロ吹っ飛びます!」との抗議を受けて引き下がった。
 それはまあ、一理あるなと思ったのだ。納得ついでにぶっちゃけることにする。



「で、ゴチャゴチャ言い合いするのももうめんどうだからバラしちゃうけどね、あのメールはウチ・・・つまりは怪奇課で書いて送信してた」



 その暴露に一番反応したのはウルだった。物も言わずに震えている。
 いつきとほのかの方がまだ冷静だった。彼女らの関心は、事故あるいは事件の真相に移行している。



「私たちに、半年前の件を隠しておくためですよね?」



 いつきが確認の口調でで言う。ここまで来るとだいたいの理由は想像できるわけで・・・そうなると問いつめる必然性は薄い。
 ニーナも「まあね」と同意した。その素直な様子に、これはいけると思ってか、ほのかが更に踏み込んだ。



「隠そうとした理由は?」



 また真面目な顔になって聞かれ、さしのもニーナも少し渋い顔をした。流石に気が咎めていたらしい。



「それはまあ・・・・・キミらはやっと両親や姉妹と再会して、新生活を始めたところだし・・・・それを台無しにするのは気が引けるさ」
「だからワタシたちに首をつっこんでほしくなかったわけか」
「そんなところだとは思いましたけど・・・・」



 ほのかといつきは、ふうと息を吐いて緊張を解いた。その様子に、ニーナが意外そうに眉を上げる。



「おや、冷静だね。もっと怒るかと思ったけど」



 その言葉に「半年もの間、教えてくれなかったことは、怒ってます」といつきはきっぱりと答えた。けれどその後に、



「でも、ニーナたちが悪意でそんなことをするとは思えませんから」



 という一言が付け加えられた。その隣でほのかも頷いている。
 皮肉抜きの言葉に、ニーナはばつが悪くなって頬をかいた。空気に負けた彼女は、らしくもない、言い訳染みた台詞を口にする。



「いや正直、ここまでバレないとは・・・。すぐに気付かれるという予測だったんだ」



 言ってちらりと顔色をうかがうようにウルを見上げる。視線を受けた彼は、観念したように言った。心なしか、小さな身体が更に小さく見える。



「・・・・・・・好きにしろ。言い訳は見苦しい、ジェントリィ」
「・・・あの、ウルの言っていることがイマイチわからないんですけど」



 さっきからこのナビ人はどこか態度がおかしい。落ち着きが無いというか、そわそわしているというか・・・渋くて大人の空気を醸し出す彼らしからぬ有り様だ。
 それも、平静とは程遠い二人にもわかるほどあからさまに。


 いつきの質問を受けて、ニーナは少し考える。本人の許可はもらえたわけだが、どう切り出したら良いものか。
 まとまらないながらも、黙ったままではいられない。先の見通しの立たぬまま、とりあえず話し始める。



「うーん・・・それにも関係することなんだけどね。こっちが想定してたのは、やりとりをするうちメール相手が別人であることに気付いたキミらが、独自に調べるなりして例の件にたどり着くって展開だったんだ。それを待っていたんだが・・・・全然バレなかった」
「それは、その・・・文面だけではわからなくて」
「直に会ってたから、秋葉とはあんまりメールはしてなかった」



 友人が偽者だと見抜けなかったいつきとほのかが、気まずそうな顔になった。そこにニーナからのフォローが入る。



「気にすることはないさ。代筆していたウルの腕が良かったんだ」
「は・・・」



 「はい」と頷きかけたいつきが、途中で瞬きする。



「・・・・・・・・・はい?」



 先の言葉に聞き捨てならない部分があったことに二人とも気付いた。



「代筆してたのって・・・」



 言葉を無くすいつきの言葉を代弁するように、ほのかが口を開く。



「そ。ウルだ」
「嘘でしょぉっ?!」



 いつきの絶叫。トーンの高さは、乗り込んできた際の第一声以上だ。ほのかも口をあんぐりと開けている。
 当の本人、ウルは無反応を貫くことにしたようで、微動だにしない。
 漢の中の漢の名誉を僅かでも守るべく、ニーナが補足説明をする。何の理由も無くそんな展開になったわけではないのだ。



「最初は歳の近いブーミンに任せてたんだけどね、試しに書かせてみたらまあ見事にピザのことしか書いてなくて、これじゃバレバレすぎるってことで・・・・・それでウルに」



 そこで、同性のニーナがやらなかったのは、彼女があの獅子堂の三女の振りをするのは無理だと自己分析したからだ。
 ならウルはもっと無理ではないかという話になるのだが・・・上司の権限で押しきった。仕事では無いのだが、強引に。
 しかし、いつきにはまだ信じられない。



「でも口調が・・・」
「いや、実に見事になりきっていたねえ」



 しみじみ言うニーナ。その実感のこもりぶりには、説得力があった。根拠と言って良いのかはわからないが。



「・・・・・ウル」
「今日は妙に口数が少ないと思ってはいたが、これのせいか」



 少女たちに色んな感情――どんなものかは深く考えない方が良いだろう――のこもった視線を送られるも、ウルは黙したままだった。石になろうと決めたらしい。
 これは流石に気の毒に思ったのだろう、ニーナが助け船を出す。



「とにかく、だ。キミらは例の件の情報が欲しいわけだ」
「はい」



 頷くいつき。ウルの行動も気になることは気になるが、本題はそちらの方だ。
 少女たちにニーナは冗談めかして聞く。しかし、その目は笑ってはいなかった。



「それでどうする? ICPに乗り込む気かい?」
「それしかないなら」



 静かに、だがしっかりとほのかが言う。いつきも何も言わなかった。同意と見て良いだろう。
 その様子に、ニーナは「それはオススメしないな」とため息を吐いて・・・その後に付け加えた。



「行くんなら、学園の方が良いだろうね」
「え?」
「スール学園か?」



 いつきもほのかも、目を瞬かせる。
 優良警官とは言えないニーナだが、いくらなんでも止められると思っていたのだが。



「事故と結論づけた案件を蒸し返されて、快く協力してくれるほどICPは寛大ではないよ。それよりはスール家を頼った方がまだ脈がある。それに、資金力は時に公的権力をも凌ぐものさ」



 皮肉げな口調でそう言って、ニーナは笑った。いつきの知る、彼女らしい顔で。



* * *



「・・・・・良かったのか?」



 少女二人が去ってしばらくの後、やっと復活したウルがニーナに尋ねる。



「これくらいの押しつけなら許されるさ。向こうも共犯だ。それに、卒業間近で就職先の決まってない学生を、警察に殴り込ませるわけにはいかないからね」



 平然と言うニーナに、やれやれと肩をすくめる(あくまでナビ人のやり方で)ウルだった。



「確かに湿っぽくはなかったが・・・怒っていることは間違いないぞアングリー」



 ニーナは小さく笑った。そうして席を立つ。



「構いやしないさ。苦情の対応はあちらさんの方が手慣れてる。・・・・・さて、こちらはディナーといこうじゃないか。ウルにも奢らないとね」
「テーブルがピザ屋みたいになっているだろう、そっちを片付けるのが先だな、ファーストリィ」



 怪奇課の二人は、座敷を後にする。これからあの少女たちがどうするのか、そのことに思いを馳せながら。





つづく




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