安いお家事情 | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

さて、今回は超安い物件を探すことにしている私達。
これも全部、将来のため。
子供のため。

最初のころは少し未練があった今の家。
キッチン、バス、リビング、大きな庭、 庭からの景色・・・
全てが最高で・・・
こんな家には、もうここでは出会えない・・・そう悟っていた。
家探しをすればするほど、実感としてそう思う。
しかし、それと同時に多くの安い物件を見つけ
最高ではないものの
ここじゃなくても暮していける・・・そう思えるようにもなってきた。
もう、この家への執着心はすっかりなくなってしまい
夫も私も新しい家で再出発するのを望んでいた。

実は、今の家もコンパウンド内。
つまり、公共の施設があるはずなのだが・・・
今の家には何もない。
プールは掃除したのかしてないのかイマイチわからないので
結局一回も使わずじまい。
公園は・・・もうすぐ作る、もうすぐ作ると約束してはや1年。
未だに公園予定地さえ決まってない。
りんごの木の予定地は決まっているが・・・・・。
もしかしたら、もう公園はできないのかもしれないと
最近諦めた。

つまり、家以外の恩恵は全くない。
コンパウンドの意味なしだと気づいた。

まあ、家は家で・・・
不具合続きだし、対応も遅い。
(まあ、このことはどこに行こうが多分一緒だと思う。
 高い家賃の家を除いては・・・)
虫も床をウロウロしてるし・・・
(建てつけ悪くて、床のタイル隙間だらけで虫ウェルカム状態)
もう・・・800BD払ってもこれじゃあ、
もっと安くて同じ状態のほうが納得するというわけだ。

でも、もし値段の問題だけなら・・・
今の家の大家さんに値段交渉すればいい・・・。
そう思った。
まあ、無理だと思うが念のためにやってみた。

すると・・・
「あなたたち家族は本当にいい家族だから、もう少し居てほしいなあ・・・」と
言ってくれた。
実はここの大家さん、私たちのアイディアを
他の家のリフォームに生かしていたのだ。
だから、参考になると言いつつ、よく家を見にきたり
相談されたりしていた。
だから、好かれているのは知っていた。
まあ、こっちは対応へのイライラのほうが多かったが・・・。

しかし・・・・
300BDも(9万円)も引けるわけはなく・・・
結局100BD(3万円)は引いてくれた。
正直に値引きしてくれると思わなかったので
うれしいのだが・・・そういう問題ではないのだ。
目標額に達さないと意味がないのだ。

今ここを出て行っても、この家の後釜はすぐに見つかるだろう。
だから、大家さんのことを思うと
出て行ってあげたほうがいいのだ。

安いコンパウンド・・・・
その言葉をスローガンに
毎日車でウロウロしては家を見つける私。

そして、ある法則を知った。

バーレーンは住民と政府の間で未だに問題がある国。
安いコンパウンドのあるところは
昔、デモがあったときに催涙ガスで
酷い匂いがしたところや
今でも燃やされたりしているところ。
外国人が恐怖に思い、逃げてしまった場所。
つまり、皆から避けられているところ!
だから安いのだ。
昔は家賃が高くて住めなかったコンパウンドの値段が
一気に下がったのは、このせい・・・。

何を燃やすかって・・・昔は古いタイヤを燃やしていた。
今は、オイルを燃やしている。
タイヤより燃えている時間が短いので、
オイルのほうが時間的にはマシ・・・。
しかし、誤ってオイルの上を車が通過すると・・・
ブレーキにオイルが入ってブレーキが利かなくなる。
まあ、どっちも問題であることには変わりない。

そんなことがあっている区域は家賃が安いのだ。
デモがありそうな場所+古い=安い・・・というわけだ。

そんなところ・・・昔の私なら絶対選ばないのだが・・・
3年ここに居て、少しずつこの国がわかってきた私は
この禁断の場所を次の場所として選ぼうと
あえて思った。

理由は・・・
安全な場所を選んでも結局は近くで燃えること。
頻度は下がっても、高い金払って安全な場所を選んでも
デモの影響で渋滞に巻き込まれるし、
妙な匂いもするし、
今のここでさえ、
家の先は時々、警官と住民が衝突していて燃えているのだ。
この国に住む以上、この国の住民を避けることはできない。
だから、嫌なことや恐怖から逃げずに受け止めよう。
そう、今回は思った。
だから今まで避けていた場所も今回はターゲットになった。

2つ目は、デモが最近少し落ち着いてきたこと。
ここ半年ほど激しい衝突が起きておらず・・・
リーダー格も逮捕されたので、落ち着いたような気がする。
また、警察も古タイヤの扱いに厳しい規制をしたらしく、
燃やせるものがなくなったのも原因のひとつ。
そして何より、デモも政府の認可が下りているのもが多いので、
以前よりヒートアップしない。
(警察やヘリコプターの監視の下行われるデモなので穏やかな抗議。)

しかし、もちろん未だに荒れている地域もある。
(無許可で過激なデモ)

そこで、今回は危ないと思われがちだけど
実はOKというところを選ぶ必要がある。

例えば・・・
無許可デモ&警官と住民が激しく衝突する場所は避ける
シーア派(デモをする側)の住む場所の近くは避ける。
逃げ道が1つしかない場所は避ける。
(封鎖されたら身動きできないので。)
いつも抗議デモが行われている近くは避ける。
火炎瓶を投げ込まれやすいような道路沿いの物件は避ける。
コンパウンド近辺の道路に
燃えた跡や酷い落書きがあればなるべく避ける。
(これは、まあどこもそんな感じなので許容範囲ではある)
などなど・・・
デモの危険な中心部は避けるが、
デモにおける影響と共に生きる覚悟は必要な場所を選ぶ。
つまり、物件が気に入ればその土地の調査も必要になるのだ。

実は・・・私のように考えている人が多くて、
今、高価で安全な場所に住んでいた家族たちが
安い家を探して、このプチ危険な場所に帰ってきつつあるという。
それくらい、以前に比べると落ち着いてきたよう・・・。

こうして、私はアスベストを避け、危険な場所を避け、
物件選びをしていった。
しかし、このときはまだ気づいていなかった。
皆が避けてる場所なので、簡単に物件を押さえられる
(自分が)有利な立場だと勘違いしていた。
そして、見えない競争相手(私と同じような考えの人)が
いることに気づかぬまま
のんびりやっている間
思わぬ変化が起きるのである。