海への想い | 帰ってきた神保町日記      ~Return to the Kingdom of Books~

海への想い

 昨日、葉山へ行った帰りに車の中で、嫁さんに「事故現場を見てつらくなかった?」と聞かれた。
 8月の事故以来、葉山の海を初めて見たのだが、不思議とつらさは感じなかった。
 秋晴れの空の下に広がる海を見て感じたのは、なつかしさだった。
 確かに事故の記憶はまだはっきりとある。病院のベッドの上で、今でもときどきあのときの光景が頭の中によみがえることもある。
 でも、あの事故の記憶以上に、この場所には楽しいお思い出がたくさんある。
 家族や仲間たちとのシーカヤックツーリング。
 トレラン仲間と何度も走ったトレイルやビーチ。
 葉山公園でのダッチオーブンパーティー。
 どれもみんな大切な思い出だ。
 海に恨みはない。むしろ申し訳ない気持ちがある。
 こんなに楽しい思い出をたくさんくれ、楽しいはずの葉山の海に、自分の判断ミスで家族や仲間たちにも、苦い記憶を作ってしまった。
 昨日、車の中から海を行くたくさんのシーカヤックやパドルボード、サーファーを見た。
 退院できたら、やはりまた海に戻りたい。
 シーカヤックにも乗るつもりだ。
 そしてまたみんなと、楽しい思い出をたくさん作っていきたい。