長者ヶ崎ブルース
今日、葉山の友人がお見舞いに来てくれた。
そのときに先日の台風18号の威力が如何に凄まじかったか、という話を聞いた。
中でも長者ヶ崎の地形が変わってしまった、というのには驚いた。
長者ヶ崎とは葉山の海岸の東の端に突き出ている小さな半島だ。葉山でのシーカヤックツーリングでは定番の心地良い場所だ。
その長者ヶ崎が台風によって陸と分断され、長者ヶ島になってしまったらしい。
これ以前も大潮の満潮時には、陸と半島の間にシーカヤックで渡れるくらいの水路ができることはあったが、今ではいつでも横断できるそうだ。
自然の力には逆らえない。
そんな話しに感化され、私の想像力と情念がこんな詩を紡ぎ出した。
「長者ヶ崎ブルース」
あなたと歩いた葉山の海辺 今日は一人で歩いているの
あの日突然、別れも告げず あなたは私の前から消えた
あなたが私の手を引いて 一緒に渡った長者ヶ崎
岩場で転んだ二人のことを はーちゃん(注1)に見られて照れ笑い
思い出にと拾ってくれた コバルトグリーンのシーグラス
今では私の胸の奥にささっているの
季節外れの台風が 引き裂いていった長者ヶ崎
今じゃ淋しい離れ小島 まるで私と似たもの同士
もう渡れない長者ヶ崎 二度と歩けぬあの渚
一人生きていくわ この長者の小島で(キャンプ禁止です)
注1:葉山沖に棲みついているアザラシの愛称。この台風も乗り越えたらしい。
さあ、誰か素敵なメロディをつけてくれ!