長者ヶ崎ブルース | 帰ってきた神保町日記      ~Return to the Kingdom of Books~

長者ヶ崎ブルース

「神保町日記」あらため「僕の人生は長くつらい上り坂を上るためにある」-090531_0847~0001.jpg

 今日、葉山の友人がお見舞いに来てくれた。
 そのときに先日の台風18号の威力が如何に凄まじかったか、という話を聞いた。
 中でも長者ヶ崎の地形が変わってしまった、というのには驚いた。
 長者ヶ崎とは葉山の海岸の東の端に突き出ている小さな半島だ。葉山でのシーカヤックツーリングでは定番の心地良い場所だ。
 その長者ヶ崎が台風によって陸と分断され、長者ヶ島になってしまったらしい。
 これ以前も大潮の満潮時には、陸と半島の間にシーカヤックで渡れるくらいの水路ができることはあったが、今ではいつでも横断できるそうだ。
 自然の力には逆らえない。
 
 そんな話しに感化され、私の想像力と情念がこんな詩を紡ぎ出した。

 「長者ヶ崎ブルース」

 あなたと歩いた葉山の海辺 今日は一人で歩いているの
 あの日突然、別れも告げず あなたは私の前から消えた
 あなたが私の手を引いて 一緒に渡った長者ヶ崎
 岩場で転んだ二人のことを はーちゃん(注1)に見られて照れ笑い
 思い出にと拾ってくれた コバルトグリーンのシーグラス
 今では私の胸の奥にささっているの
 季節外れの台風が 引き裂いていった長者ヶ崎
 今じゃ淋しい離れ小島 まるで私と似たもの同士
 もう渡れない長者ヶ崎 二度と歩けぬあの渚
 一人生きていくわ この長者の小島で(キャンプ禁止です)

 注1:葉山沖に棲みついているアザラシの愛称。この台風も乗り越えたらしい。


 さあ、誰か素敵なメロディをつけてくれ!