手紙 :東野圭吾 | 神戸の三代目(本棚)

手紙 :東野圭吾

東野 圭吾
手紙
強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたび に、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動 を呼んだ不朽の名作。

★★★★★

東京からの帰りに、本屋をのぞいたら文庫化されていたので買って読みました。
前から気にはなっていた本だったけど、読んで正解でした。

強盗殺人を犯した兄。
でもその兄も犯罪を犯すべくして犯したのではなく、
弟のことを想っての行動が結果として強盗殺人になってしまった。

苛酷な現実に振り回される弟。
本人に非があるわけでは無いのに世間の風当たりはきつい。
何かあるたびに「犯罪者の弟」という眼鏡を通して見られてしまう。

でも実際、犯罪者の弟とか親戚という知り合いがいたらどうだろう?
もしかしたらこの本に出てきた登場人物のように、避けてしまうかもしれない。
ましてや、自分の子供がそういう人たちと接点を持つとなった場合、
避けるようになるかもしれない。

東野圭吾、ひたすら読まされました。
サプライズも無いけど後にズンと残る作品でした。