【落札済】第6軍の心臓 1942～3年スタリングラート地下野戦病院コンザリク

~~第6軍の心臓 1942～3年スタリングラート地下野戦病院コンザリク~~ 落札済

ハインツ・Ｇ・コンザリク：著　　金森誠也：訳

フジ出版社　 ISBN 4892260614 1984/01発行　定価3300円

隊がの凍結を熱望するロシア老人　遠い故国と戦場での遠隔結婚式　被弾偽装手術と軍法会議　敵前で抱擁する男女　木くずのスープ　9000人分のコンドーム　戦場をさまよう象　ドイツ軍医とロシア女医の出会いと別れ～そして第6軍の降服

1942年冬。スタリングラート最前線の廃墟にたてこもる独軍兵士たちを奇妙な死が襲った。突然倒れてしまう歩哨兵。たこつぼにすわったまま息絶える若者。地下野戦病院の医師たちは、それを「第6軍の心臓病」と呼んだ。極寒のさなか、人間の限界をはるかに超える緊張と消耗と飢餓を強いられた若い兵士の肉体が、急激な廊下と、続いて訪れる安らかな死を望んだのである。物語はこの凄惨な主調低音のもとに、独ソ両軍の医師や軍人や義勇兵たちの、極限での「生」をテーマとして、ウォルガ河畔の古都に展開する。

包囲された独軍将兵30万、捕虜10万、生きてドイツに帰還できた者1万。東部戦線の帰趨をかけて、両軍あわせて10万の戦死者を出したスタリングラート攻防戦。史上最も悲惨な戦いといわれる独ソ戦場を舞台に、名匠コンザリクは「独裁者の罪を背負う兵士たち」への鎮魂歌を奏でる。