「それでも、生きてゆく」を語るうえで、欠かせない作品が2010年放送の「Mother」。
脚本家が同じ坂元裕二さん。

Mother [DVD]/松雪泰子,山本耕史,酒井若菜

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これをリアルタイムで放送していたとき、あまり真面目に見ていなかったため途中で見るのを辞めてしまいました(爆)
ところが、先日再放送をやっていたため、もう一度しっかり見直してみようかと録画。

「Mother」をじっくり見たいと思いつつ先延ばしにしていたのはもうひとつ理由があって、芦田愛菜ちゃんを見ると心が痛む(大人にコキ使われているのが見てられない)から。
でも少し愛菜ちゃんブームも沈静化してきましたし、敢えてこの時期に見直すことに。


やっぱり「それでも、生きてゆく」と同じくらい秀逸な脚本です。
坂元さんの脚本って、対談でもおっしゃってましたが説明が一切ないんです。
いまのドラマって、いわゆるキャラクタードラマが受けるらしい。
ほら、ミタさんなんてその最たるものだし、今クールの視聴率の良い番組を見ても、嵐の大野くんが変わり者の役をやってたり・・・。
それがすべて悪いなんて言いませんが、坂元さんのようにしっかり見てない人にはわかりづらいドラマだと視聴者の食付きが悪いのも事実で。
当然のごとく宣伝も難しく視聴率が取れないし、当然テレビとしてはメリットが少ない。
よって、視聴率至上主義に陥ったあげく、低視聴率ドラマは早々打ち切りなんていうことがまかり通ってしまうわけです。
これじゃ、ドラマの質が良くなるわけはありませんよね。


・・・なんか話が逸れてしまいましたが、「Mother」を見て思ったのは、これがなければ「それでも、生きてゆく」は生み出せなかっただろう、ということ。
男性でありながら母性を描く(しかも超リアル)こと自体に僕は尊敬の念を抱くわけですが、「Mother」に出てくる女性たちの行動にはかなり説得力があり、またまた脚本の秀逸さに感服してしまいました。
第8話の虐待母の回顧シーン(虐待に至るまでの経緯)の描き方は、


虐待母=悪人


というステレオタイプ的な考えをする日本人が多い中で、非常に痛快な脚本に思えました。
わかんない・・・わかんないけど・・・・、虐待をしてしまう人も初めはそんなつもりはないはず。苦しんでるはず。
そんなことを考えながら見てました。


ただ、音楽と演出は、「それでも、生きてゆく」のほうが数倍上手。
天才ピアニスト辻井伸行さん、ドラマに熱い情熱を持った石井浩二プロデューサーですもの。
ちょっと比較するのは酷かもしれません。


さらに、この2つのドラマの架け橋となる、単発ドラマが存在したのです。
「さよならぼくたちのようちえん」という、「Mother」と同じスタッフで作られたドラマ。
主演は芦田愛菜ちゃんで、6番手くらいまでが子役です。
(その中には本田望結ちゃんもいます!)

さよならぼくたちのようちえん [DVD]/芦田 愛菜,橋本 智哉,佐藤 瑠生亮

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で、大人の立場の主役は、満島ひかりさん!
ようするに、「Mother」から「それでも、生きてゆく」へのバトンがここで渡されるわけです!!

話の内容も素晴らしい。
病気で入院してる友達を見舞おうと、遠くまで子供たちだけで行こうとします。
幼稚園の先生役として満島ひかりさんなわけですが、行方不明になった子供たちを心配する親の、幼稚園に責任を押し付けようとする大人たちの振る舞いが、子供たちの純真無垢な振る舞いと対照的に描かれてすごく良い。

んでもって、子役たちの演技が本当に素晴らしい!
みんな感情を込めて演技してたし、別に子どもらしさばかり誇張してなくてそれぞれ個性をうまく出していて。
坂元さんの脚本の力もあるかもしれませんが、改めて最近の子役の演技力には心底脱帽しました。



「Mother」「それでも、生きてゆく」の2作品をご覧になった方、「さよならぼくたちのようちえん」もハマるかもしれません!
なにやらテレビ放送時には放送事故があったらしく、リアルタイムでご覧になった方も改めてDVDでご覧になるのもいいかもね。

そして、

坂元先生!

僕の中で期待値がすごく膨れ上がっていますよ(笑)
次回作が楽しみで仕方がありません☆彡


「それでも、生きてゆく」と同じスタッフでまたドラマを作って欲しいなぁ、と願っている今日この頃です。
その場合、キャスティングがむずいな。瑛太&満島ひかりのコンビはあれだけにしてほしい、って思いもあるから。
満島ひかり主演で、他を若干変えるっていうのもいいかも。
音楽はもちろん辻井さんで!!

「それでも、生きてゆく」ディレクターズカット完全版 [DVD]/瑛太,満島ひかり,風間俊介

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