2011年12月、Eテレ・テクノロジーで
携帯電話の呼気を感知して癌の診断が出来るようになり

GPSを利用して病院の予約まで出来る時代が来ると
複雑な気持ちで見ていた。

それが現実の物となるらしい
日経サイエンスによると、ハーバード大学医学部が成功・製作中との事。

ワイスレーダーと云う
ガンや感染症の診断・治療効果の確認などが出来る
携帯ツールにする試みが始まった

ガンの診断は高額で時間もかかる
スマートフォンと、弁当箱大の機械を使って 転移がんが疑われる患者の腹部から
針で採取 組織片を調べ ガンを確定したと発表した。

採取した生体に 4種類のガン関連 タンパク質に結合する抗体を加える
小型装置は 核磁気共鳴を使って これを解析し
抗体と結合した、タンパク質の量・磁気特性に基づいて割り出す
(様は、個人は血液を採取して(血糖値を自分でやるようなもん)後は小型装置が割り出す。)

この結果をスマートフォンに送り
同研究チームが設計した アプリケーションを用いて画面に表示
パソコンも必要ない為、病院の外でも 患者が容易に診断できる

これに対し、従来の診断法では 結果が出るまで3日以上かかる上
採取する組織の量が多く 患者の負担が大きい

抗体の種類を変えれば、どんな種類のガンでも診断出来る! と同システム生物学者はいう

治療の進行状況も追跡できた
がん細胞の数が減るか、特定のマーカーの発現レベルが低下していれば
治療がうまく進んでいることが自分で簡単に分かる

スマートフォンの普及で
ワイスレーダーを組み合わせることで此処まで科学は進歩している
5年以内の製品化を期待。

(ここまで自分から自分への引用)



その後、どうなったのか 調べてみた。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると(2013年1月)ーーー

 スマートフォン(多機能携帯電話)のアプリケーション(応用ソフト)が
徐々に 医師や医療機器メーカーの 領域に入り込みつつある。

例えば心拍を計測する、レントゲン画像を表示する
皮膚がんを検知する、などとうたっている。

そんな中、アプリの性能に対する懸念が生じており 消費者がスマホに頼って
医師の診察を受けなくなる恐れがあるのではと危惧する声も上がっている。

(University of Pittsburgh Medical Center
ダーモスコープを用いたほくろの検査)

公表された論文によると、こういったアプリの精度には
大きな差がある場合があるという。

米ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)の研究チームは

ほくろ状のものが 皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)に
変化したかを 検知できるとうたっているスマホ用アプリ 4つを評価した。

最も精度の高かったアプリは 98.1%の確率で
メラノーマを正確に見分けることができたが
最も悪かったアプリはわずか 6.8%しか見分けることができなかったという。

残りの 2つのアプリは 70%前後だった。
これは訓練を積んだ 皮膚科医が 近代的な装置を用いて
診断できる精度よりずっと低い。

別の研究によれば、こういった皮膚科医は
初回で約 90%のメラノーマを正確に見分けられるからだ。

ただし、70%というアプリの精度は
専門的でない家庭医が見分ける能力に十分匹敵する。

米国医師会雑誌(JAMA)電子版に掲載されたこの論文の研究では
名称非公表の アプリ4つを使い、計188個の ほくろ状のものの画像を分析した。

この中には 皮膚科医が既に メラノーマだと診断したものが 60個含まれていた。
3つのアプリ(価格は5ドルないしそれ未満)は
アルゴリズムを用いてほくろを分析した。

最も精度の低かったアプリは
腫れ上がって変色したがん数十個について良性と判断した。

最も精度の高いアプリは、医師の所見にも頼っている。

画像を専門医師会認定の 皮膚科専門医に転送して
ほくろ 1つにつき 5ドルで判断を仰ぐのだ。


UPMCの皮膚科医で、論文の共同執筆者でもあるローラ・フェリス博士は

「人々に 来院を遅らせても構わないと思わせる方法が出てくれば
患者に 害が及ぶのも時間の問題だ」と述べた。

同博士は 医師向け皮膚がん検出装置を製造する
MELAサイエンシズの顧問を務めている。

同博士は 患者にほくろ検査アプリについて感想を聞かれた際に
この研究を思いついたという。
この研究は 米国立衛生研究所からの資金援助を受けた。

背景には、携帯端末をベースとした 医療技術の消費者利用が広がる中
アプリメーカーが その性能と 資金獲得の面で 急速な改善をみせていることや
患者と医師との関係に 期待するものが 急速に変化していることがある。


調査機関 ピュー・リサーチ・センターの Internet & American Life Projectを
担当する スザンナ・フォックス氏は

「医療分野も、われわれが追跡するそれ以外の分野と
同じ傾向をたどっている」と述べ

「判断を下すために 自らが学べる機会が 爆発的に増えている」と指摘した。


公表された ピューの調査結果によると

米国の成人の約3分の1は 健康上の問題の診断にオンライン情報源を使っており
この中には アプリも含まれている。

このうち、その診断を専門医に 後日確認してもらったと回答したのは41%だった。


伝統的な皮膚科検査では、医師はほくろの形、色、それに境目を調べる。
メラノーマの兆候には、形が非対称、変形する、境目がギザギザ
ないし色が濃くなる、といったものがある。
診断は臨床検査で確定する。


フロリダ州パームビーチの皮膚科医、ケン・ビアー氏は

「もし患者がこういったアプリの1つを使って
『メラノーマだ』とか『メラノーマではない』などと言っているのだとすれば
後々問題が生じるだろう」と述べ
「アプリは患者の唯一の皮膚科医にはなり得ない」と付け加えた。

健康アプリメーカーは、アプリには 診断する意図はないと
患者に警告する 免責条項をつけている。

アプリメーカー 「モール・ディテクティブ」の共同創業者
アビ・ラサロー氏は 「われわれはこれが医師の代わりになるとは言っていない」
と述べる。

同アプリは アルゴリズムを使って ほくろのリスクを計るものだが
医師に照会できる機能を追加する計画だ。

同氏は 「われわれが言っているのは、利用者が(健康上)
問題を抱えているかもしれないかどうかを判断する際
アプリは 頼りにできる方法の1つだということだ」と語った。

別の アプリメーカー、スキンビジョンは アプリが「診断用ではない」が
紫外線にさらされていることを 示す位置ベース情報など
「意識を高めるツールを提供する」と宣伝している。

それでも、アプリメーカー各社の幹部は
アプリの性能に関する 情報を求める声が高まっていることを認識している。

スキンビジョンのロエル・バン=サマレン最高経営責任者(CEO)によると
同社は 欧州で臨床試験の準備を進めている。

200人の患者を対象にして、同社のアプリと従来の診断機器とを比較する計画だ。


食品医薬品局(FDA)による承認が必要となる医療機器と違い
大半のアプリは これまでのところ、その安全性や性能を示す必要がない。


FDAは 医師による診断を支援する 一部のアプリについて 承認を始めているが
消費者向けアプリは おおむね精査を逃れている。


FDAは声明の中で、メラノーマが重篤な疾患であるだけに

UPMCの研究結果は
「消費者が 医療的な判断を下す前に 医師の診察を受けることの
大切さを浮き彫りにしている」と述べ

携帯端末用アプリへの 対応が FDAの最優先課題の1つだと付け加えた。

ウォール・ストリート・ジャーナル(日本版)より





倫理的な問題もあるんでしょうね。
利得権益もあるんでしょうね。

それにしても大国 米国は 保険制度がないから アプリやオンラインを使って
自己判断してから 病院に行くようですね。

それに比べると 確かに「がん治療」は高額だけど
日本人で良かったと再認識。 

自国でも、健康に関するアプリが散乱していますね。
私の娘も、「生理の日を教えてくれたり 不正出血など サプリメントを
飲む時間ですよ~等々といった(音声で知らせてくれる)
アプリを使ってるようで あきれ返っています。
(言うこと聞かない~便利だって・・それぐらい自己管理せ~よ!)

技術の進歩は良いんだけど 人の心もついていかないとね。
 


がんに関する 悪質なアプリも スマホに多数存在します。
「がん」は ビジネスになりやすいので おいしい話には注意しましょう・・ネ。